住宅から日々の食料品、生活必需品に至るまで、ありとあらゆる物が無料または極めて廉価で配給されていたかつての北朝鮮。国民は決して豊かとは言えないが、安定した暮らしを営むことができた。旧共産圏の下支えがあってこそ可能だったそんな配給システムだが、1980年代から徐々にほころびが生じ、1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」の前後に崩壊。食糧供給の流れに大きな変化が生じた。国民は、商品の調達を市場に頼るようになり