日本交通乗務員研修


11月になり、気の早いことにクリスマスの準備を始める商店も出てきた。社会人にとってはまた忙しい時期がやってきたという印象かもしれない。

年末年始はタクシーやハイヤーの利用機会が増加され、また道路交通渋滞等の混雑も予想される。そこで、日本交通は乗務員の冷静な判断や対応による、更なる安全と快適を目指し、乗務員研修に「アンガーマネジメント」を取り入れた。

アンガーマネジメントとは1970年代にアメリカで開発された、怒りの感情をコントロールするための感情理解教育プログラム。アメリカでは教育機関や企業、スポーツ界などで導入されている。日本交通はタクシー・ハイヤー業界で初めてこのプログラムを導入し、就業1年のハイヤー乗務員に研修を実施した。

■怒りの原因を探し、乗客の感情に寄り添う


今回の研修で講師を務めたのは、一般社団法人アンガーマネジメント協会の代表理事である安藤俊介氏。安藤氏はアンガーマネジメントの日本第一人者で、世界で12人しかいない最高ランクのトレーニングプロフェッショナルにアメリカ人以外では唯一登録されている。

安藤氏は「怒りやすい人は怒りが一番相手に伝わると思っている」と話した。第一次感情として不快感や欲求が自分の中でたまり、それが水で満たされたコップのように溢れ出るときに怒りとなるという。

乗務員たちにも「怒っている乗客の、第一次感情を聞き、それに寄り添うことで車内が居心地のよい雰囲気に変わる」と具体的なアドバイスをしていた。

そのほかにも、研修受講者は自分がどういうときに怒ってしまうのかを知ることができる「怒りのタイプ診断」テストを受講したり、ワークショップ形式で最近イラッとしたことを話し合ったりと、怒りとそれにまつわる感情について学んでいた。

日本交通では、アンガーマネジメントの導入で、乗務員の「おもてなし」スキルの向上を目指しているということだ。