撮った後でピントが合うHTC J butterfly、画質が下るのにキレイに撮れるXperia!魔法のカメラに進化をはじめた最新スマホ

写真拡大 (全3枚)

今やスマホのカメラは、スマホ選びの大きなポイントにもなっている。スマホのカメラと言えば、「1300万画素」などデジカメに迫る高画素化がセールスポイントになってきた。しかし、スマホのカメラ機能は、今、大きく変わりつつある。

元々スマホのカメラは、画質だけではなく、様々なエフェクトが利用できたり、撮影後に写真をそのままソーシャルにアップロードできたりと、デジカメにはない便利さで利用者を増やしてきた。今では、その便利さから日常の写真撮影はすべてスマホで済ませてしまっている人も多いほどだ。

こうした利用者の使い方に対応して、最新のスマホのカメラに、今、大きな変化が起きている。
最新のスマホカメラは、どのようになっているのだろう。

●もうスマホに今以上の高画質は必要ない?
実は今のスマホのカメラは、本体の小さい画面で見たり、テレビに出力したり、サービスサイズやはがきサイズに印刷するくらいであれば十分な画質に達している。これ以上、高画質化しても、写真のデータ容量が増えるため、本体での写真の表示やSNSへの投稿に時間や通信データが多くかかるなどデメリットのほうが増えてしまう。

そのため各スマホメーカーは、画質化には対応しつつ、スマホ独自の特徴重視へと進化をはじめているのだ。

●2070万画素が800万画素に下がるのにキレイに撮れるXperia Z2の「プレミアムおまかせオート」
例えばソニーモバイルのXperia Z2には2070万画素のカメラが搭載されている。これは他社のスマホに比べてもかなり高画質なカメラだ。そのためオートモードで撮影してもあらゆるシーンできれいな写真が撮れる「プレミアムおまかせオート」モードが搭載されている。このモードにしておけば、暗いシーンや逆光、室内でもデジカメ要らずの最適な写真が撮れる。

ところが、この「プレミアムおまかせオート」で撮影すると、写真は800万画素相当になってしまう。本来、2070万画素もあるカメラなのになぜ画質を落としているのだろうか?
実は「プレミアムおまかせオート」は撮影後、データを一瞬で加工して失敗の無い写真に仕上げているのである。つまり撮影ではカメラの性能をフルに活かした2070万画素で行い、明暗や手振れなどを補正する結果、出来上がりの写真は800万画素相当になるのだ。

2070万画素でも暗部がつぶれたり、白飛びしたり、手ぶれした写真より、800万画素の暗部から明部まで表現されて手ぶれもない写真のほうが誰しもキレイと思うだろう。もちろんマニュアルモードにすればフルで2070万画素の写真を撮ることもできる。またスマホの画面でみれば、「プレミアムおまかせオート」の800万画素の写真はとてもキレイに見られる。実際、「プレミアムおまかせオート」で撮影した写真のほうがシャープで美しく感じられるほど高い仕上がり結果を得ることができるのだ。


2070万画素と「プレミアムおまかせオート」を搭載するXperia Z2


高画素なカメラを使えば確かに細部まで高い描写の写真が撮れる。しかし、Xperia Z2は、高画質カメラを誰でもどんなシーンでも失敗しないカメラ機能として使っているのである。

●ピンぼけ写真がなくなる?撮った後でピントが修正できるHTC J butterfly
Xperia Z2 よりも新しい試みをしているのが、最新のau から登場する予定のHTC J butterfly(HTL23)のデュオカメラだ。デュオカメラは2つのカメラを使うことで後から自由に写真を修整できる。

HTC J butterfly(HTL23)のメインカメラは。今では多くのスマホで採用されている1300万画素だ。だが背面を見るとメインカメラの上にもう一つのカメラが搭載されている。この2つ目のカメラは奥行きを感じるセンサーを搭載している。写真撮影時にメインカメラが写真そのものを撮影し、2つ目のカメラは被写体の前後、すなわち奥行情報を同時に保存しているのである。


HTC J butterfly(HTL23)のデュオカメラは、後からピントを変更できる


この2つのカメラでなにができるかと言うと、撮影時にピンボケの写真でも、後からピントを合わせることができるのである。まさにデジカメでもできない魔法のような機能なのだ。さらに、撮影後に背景のボケ具合を変えたり、写真の中の複数の人それぞれに後からピントを合わせたり、といった加工も簡単にできてしまうのである。

つまり、HTC J butterfly(HTL23)を使えば、写真の最も失敗しがちな「ピントが思った位置に合わない」トラブルは、もうなくなるのである。

カメラ機能がセールスポインである最新のXperia X2とHTC J butterfly(HTL23)。それぞれ方法は大きく異なるが、どちらも写真を失敗しないだけでなく。より簡単にキレイな写真が手に入るという点で同じ方向を向いているといっていいだろう。
これからのスマホのカメラは「画質」ではなく、どれだけ簡単に失敗なく「美しい写真」が撮るカメラが主流となっていくだろう。こうした動向により、スマホ選びも大きくかわりつつある。


山根康宏