派手さだけではない リーグトップを走る巨人とオリックスの共通点
首位を走る巨人の強さを支える「凡事徹底」
プロ野球が開幕して、3カードが終了した。各球場で熱戦が繰り広げられ、プロ初勝利あり、新外国人選手の大当たりありと話題も多岐にわたっている。
セ・リーグは下馬評通り、戦力豊富な巨人が8試合で6勝2敗と広島と同率首位。逆にパ・リーグは大方の予想に反し、投打がかみ合ったオリックスが7勝2敗と2位の楽天に2ゲーム差をつけて単独首位、現在6連勝中である。
今季の巨人は新外国人のアンダーソンが安打を量産しているほか、どこからでも点が取れる打線で好調をキープ。主将で守備の要である阿部慎之助選手が左ふくらはぎを痛め、6日の中日戦を欠場して敗北を喫したが、新人の小林誠司捕手がプロ初安打をマークするなど、プラス材料も多い。
一番の強さは、凡事徹底にある。それは5日の中日戦(ナゴヤドーム)の戦いに象徴されている。
延長10回の戦いの末に、5-3で勝ったこのゲーム。10回中、5イニングでバントをした。初回はノーアウト1、2塁の場面で3番の高橋由伸に送りバントのサインが出された。意表を突く攻撃に相手も驚いた。
高橋は初めからバントの構えをするのではく、セーフティー気味に決めて満塁とし、4番・村田修一の内野ゴロの間に1点を奪った。派手な得点シーンも多いが、このような自己犠牲や細かい点の取り方で勝っているのも忘れてはならない。
パ・リーグ首位に立っているオリックスの強み
パ・リーグ首位のオリックスも同様のことが言える。4番ペーニャの勢いが止まらず、すでに6本塁打。打率も3割7分5厘と大当たりだ。
得点38はソフトバンクに次ぐリーグ2位で、失点21は12球団で最少。ただ、糸井嘉男、ペーニャの豪快な3、4番の陰に隠れがちだが、1点を奪い、1点を守る野球をしている。
オリックスの強さの象徴は5日の京セラドーム大阪での試合。4-1で西武を下した一戦だ。
ペーニャの6号3ランが飛び出し、ディクソンが7回1失点。セットアッパーの佐藤達也、平野佳寿とつなぎ、これ以上のない快勝劇だった。そこで森脇浩司監督が絶賛したのは、本塁打のペーニャでなく、盤石な投手リレーでもなく、1点目の取り方だった。
5回裏。8番からの打順だったが安達了一が四球を選び、9番の伊藤光がきっちりと送りバント。ヘルマンはショートゴロに倒れたが、続く2番の平野恵一がファウルで粘って四球を選び、チャンスを広げた。その後、相手のバッテリーエラーで2、3塁とし、糸井の内野安打で1点を先制。そして、ペーニャの一撃が飛び出した。
「そういう流れが中軸にチャンスを回してくれたのだと思う」と伏兵たちの活躍を評価した森脇監督。結果から見れば、ペーニャの一発が試合を決めているが、このように常につなぐ意識によって奪う1点とその攻撃の形が今後も生きてくるだろう。
楽天戦ではゴールデンルーキーの松井を足で攻略
そのほかにも、4月2日の楽天戦ではゴールデンルーキーの松井裕樹を足で攻略している。
1番のヘルマンが二盗、三盗と繰り返し、巨漢のペーニャも盗塁を決めるなど、隙あらば「1個でも先の塁を目指していく」という指揮官の言葉通りに攻め込んで、オープン戦では封じ込められていた相手に土をつけた。
また6日の西武戦でも、あと1アウトでドラフト1位ルーキーの吉田一将がプロ初勝利の権利が得られたが、指揮官は勝負所と見極め、チームの勝利を優先して交代を決断。全員で野球をやっているという意識を根付かせた。
戦力に驕らず、このような細かな戦術で1点を取りに行く野球が徹底され、成功していけば、今後、巨人だけではなく、オリックスの強さも続いていくかもしれない。

