米国の時事週刊誌タイムの電子版は11日(現地時間)、「韓国のLGBT(同性愛者や性同一性障害者などの性的少数者)のコミュニティが等しい権利のために戦っている」というタイトルのソウル発の記事を掲載。同性愛者に対する韓国国民の認識の変化を紹介した。

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 米タイム誌(電子版)は11日(現地時間)、「韓国のLGBT(同性愛者や性同一性障害者などの性的少数者)のコミュニティが平等な権利獲得のために戦っている」と題したソウル発の記事を掲載し、韓国で同性愛者に対する意識が急速に変化していることを紹介した。複数の韓国メディアが報じた。

 記事は、同性結婚の合法化に向け活動する韓国の映画監督、金趙光秀(キムチョ・グァンス)と映画会社レインボーファクトリー代表、金承煥(キム・スンファン)カップルを紹介。金趙監督と金代表は、同性愛をタブー視する韓国でカミングアウトし、2013年9月にはソウルで韓国初の同性愛者による公開結婚式を挙げた。

 しかし2人は同年12月にソウルの西大門区役所に婚姻届を提出したが、役所側は憲法第36条1項に「婚姻は男女の平等を前提に成立する」と定められているとして受理しなかった。

 韓国で同性愛は違法ではないが、1980年代の独裁政権時代には性の権利ということすら考えられないものだった。2000年代に入ってからも、韓国人俳優のホン・ソクチョンが韓国芸能人初の「カミングアウト」をしたところ、テレビや映画、ラジオの出演が次々と減るほど同性愛はタブー視されてきた。記事は、韓国は保守的な国であり、同性愛に対する認識が変化するまでに長い時間がかかったと指摘した。

 韓国人を対象に実施した同性愛に対するアンケート調査では、「同性愛は認められるべき」、「同性愛に反対しない」との回答が、2007年の18%から13年6月には39%の2倍となった。記事は、婚姻届が受理されなかった金趙監督と金代表の2人が、「すべての国民は、性別によってすべての領域において差別を受けない」とする憲法11条を根拠に、憲法裁判所に違憲審判を請求する計画があることも紹介した。(編集担当:李信恵)(イメージ写真提供:123RF)