家族写真をSNS/ウェブ上に公開してはいけない/日沖 博道
ブログ、facebook、写真共有サービス、LINE、等々。SNSはどんどん多様化し便利になるが、そこに潜むリスクを理解した上で楽しみたいもの。何の気なしに家族写真データをアップすることが、思わぬ将来のリスクにつながるかも知れません。
年始メッセージのやり取りで、facebookやご自分のブログで家族写真を公開しているのをお知らせいただくケースが幾つかありました。実に微笑ましいのですが、そこに将来のリスクが潜んでいることをご存じでしょうか。また、Twitterでご自分の行き先を逐一報告される、まめな人には感心してしまいますが、やはり懸念が残ります。ご自分はもちろん、家族の方にも、過度な個人情報をSNS/ウェブ上には公開しないようお薦めします。
少し具体的にお話ししましょう。あなたに一人っ子の年頃の娘さんがいたとします。あなたは仕事柄、セミナーで話したりインタビューを受けたりしたことが何度かあり、ご自身の顔写真が名前・役職と共に幾つかのウェブ上でも公開されています。facebook上では出張先での様子などが「友だち限定」で掲載されています。
一方、あなたの娘さんは大学に入ってからボーイフレンドを見つけます。でもご両親に紹介する前に、彼のちょっと変な性格に気づき、娘さんは別れることを一方的に宣言します。
でも彼は別れたくなくて、あなたの娘さんにしつこく電話やメールをしてきますし、行き先々に現れて話し掛けようとします。いわゆるストーカー行為です。娘さんから事態を告げられたあなた方夫婦は警戒し、警察にも相談しますが、元カレは暴力的な行為に及んでいるわけではなく、緊急的な脅威ではないということで、様子を見ることになってしまいます。
そんなある日、あなたが出張に出掛け、奥さんもここぞと羽根を伸ばしに昔の友だちとお食事に出掛けます。一人留守番をすることにしていた娘さんがいつもより早めに学校から自宅に帰ると、玄関わきに待ち構えていた元カレがぬっと姿を現し、娘さんに復縁を迫ります。パニックに陥った娘さんは恐怖の叫び声を上げ…。
さて一体なぜこんなことが起きたのでしょうか。鍵は顔認識技術です。元カレは、実はちょっとしたコンピュータ・オタクでした。まず彼は、娘さんのfacebookやブログから、娘さんの行動を調べ上げ、行く先々で待ち構えることができました。それだけでなく、娘さんは以前、ご自分のfacebook上で家族旅行のときの画像も公開していました。そこに写っている父親らしき人物の顔画像とマッチする画像をウェブ上で探し当て、苗字と娘さんから聞いていた情報から、あなたが彼女の父親であると確信できました。そしてあなたの職業と役職、出身校などの個人データを調べ出しました。そして偽名を使ってあなたの後輩を装い、あなたとfacebook上で友だちになっていました。そしてあなたがTwitterで告げる出張日程を正確に掴んでいました。奥さんについても同様です。
あなたの家族の行動は、盗聴器がなくとも、元カレには筒抜けだったのです。それらの個人情報はあなた方ご自身の手で公開されていたのです…。いかがでしょう。あなたは「我が家は大丈夫」と確信を持って答えられますか?(「ウチは息子だけで娘はいないから大丈夫」?いえ、そういう問題じゃなく…)。
顔認証技術は凄まじい進化を遂げており、近い将来、ご本人と家族、および友人が何気なく公開したインターネット上の写真および動画の画像が片っ端から結び付けられるようになるでしょう(現時点では顔認証の精度は発展途上ですが、ネット上の画像の大半が消せずに残るため、技術が完成した時点で難なく実行されるでしょう。またfacebook上のデータはGoogle検索ではヒットしませんが、「友だち」になってしまえば辿れます)。それはほぼ確実に個人情報の特定に結びつくと考えられます。
上記の仮想シナリオでは娘さんが主に画像を公開していましたが、あなたご自身のSNS投稿で写真や個人の予定が特定できるかも知れません。そして一般に公開されている同窓会や交流会などの写真データも解析する側からは鍵の一部となります。また、LINEで直接共有されるかも知れません。
特にお年頃もしくはその手前の年齢のお子さんを持つ親御さんには、こうしたリスクを知っておいていただきたいと思います。様々なSNSがありますが、決して家族写真や家族情報を「公開」することはされないよう、老婆心ながらご忠告申し上げます。
年始メッセージのやり取りで、facebookやご自分のブログで家族写真を公開しているのをお知らせいただくケースが幾つかありました。実に微笑ましいのですが、そこに将来のリスクが潜んでいることをご存じでしょうか。また、Twitterでご自分の行き先を逐一報告される、まめな人には感心してしまいますが、やはり懸念が残ります。ご自分はもちろん、家族の方にも、過度な個人情報をSNS/ウェブ上には公開しないようお薦めします。
一方、あなたの娘さんは大学に入ってからボーイフレンドを見つけます。でもご両親に紹介する前に、彼のちょっと変な性格に気づき、娘さんは別れることを一方的に宣言します。
でも彼は別れたくなくて、あなたの娘さんにしつこく電話やメールをしてきますし、行き先々に現れて話し掛けようとします。いわゆるストーカー行為です。娘さんから事態を告げられたあなた方夫婦は警戒し、警察にも相談しますが、元カレは暴力的な行為に及んでいるわけではなく、緊急的な脅威ではないということで、様子を見ることになってしまいます。
そんなある日、あなたが出張に出掛け、奥さんもここぞと羽根を伸ばしに昔の友だちとお食事に出掛けます。一人留守番をすることにしていた娘さんがいつもより早めに学校から自宅に帰ると、玄関わきに待ち構えていた元カレがぬっと姿を現し、娘さんに復縁を迫ります。パニックに陥った娘さんは恐怖の叫び声を上げ…。
さて一体なぜこんなことが起きたのでしょうか。鍵は顔認識技術です。元カレは、実はちょっとしたコンピュータ・オタクでした。まず彼は、娘さんのfacebookやブログから、娘さんの行動を調べ上げ、行く先々で待ち構えることができました。それだけでなく、娘さんは以前、ご自分のfacebook上で家族旅行のときの画像も公開していました。そこに写っている父親らしき人物の顔画像とマッチする画像をウェブ上で探し当て、苗字と娘さんから聞いていた情報から、あなたが彼女の父親であると確信できました。そしてあなたの職業と役職、出身校などの個人データを調べ出しました。そして偽名を使ってあなたの後輩を装い、あなたとfacebook上で友だちになっていました。そしてあなたがTwitterで告げる出張日程を正確に掴んでいました。奥さんについても同様です。
あなたの家族の行動は、盗聴器がなくとも、元カレには筒抜けだったのです。それらの個人情報はあなた方ご自身の手で公開されていたのです…。いかがでしょう。あなたは「我が家は大丈夫」と確信を持って答えられますか?(「ウチは息子だけで娘はいないから大丈夫」?いえ、そういう問題じゃなく…)。
顔認証技術は凄まじい進化を遂げており、近い将来、ご本人と家族、および友人が何気なく公開したインターネット上の写真および動画の画像が片っ端から結び付けられるようになるでしょう(現時点では顔認証の精度は発展途上ですが、ネット上の画像の大半が消せずに残るため、技術が完成した時点で難なく実行されるでしょう。またfacebook上のデータはGoogle検索ではヒットしませんが、「友だち」になってしまえば辿れます)。それはほぼ確実に個人情報の特定に結びつくと考えられます。
上記の仮想シナリオでは娘さんが主に画像を公開していましたが、あなたご自身のSNS投稿で写真や個人の予定が特定できるかも知れません。そして一般に公開されている同窓会や交流会などの写真データも解析する側からは鍵の一部となります。また、LINEで直接共有されるかも知れません。
特にお年頃もしくはその手前の年齢のお子さんを持つ親御さんには、こうしたリスクを知っておいていただきたいと思います。様々なSNSがありますが、決して家族写真や家族情報を「公開」することはされないよう、老婆心ながらご忠告申し上げます。