川口能活、日本代表“奇跡の勝利”を振り返る
また、5人目のイブラヒムについては「キッカーの顔は覚えています。対峙した時に彼が迷っているような感じがしたんです」という川口に対し、当のイブラヒムは「ゴールがものすごく小さくて空いてるところが見つからなかった。日本のキーパーが巨人に見えた。どこに蹴ればいいか困ったよ」と、すでに川口の気迫に飲まれていた様子。「彼の蹴るコースがなんとなくわかった」という川口に、イブラヒムは「練習ではこっちを狙うことはないんだ。いつもは逆のほうに蹴っている。でも、右が空いているように見えた。わざと右のコースを空けていたんだね。完全に誘いこまれた」と当時を振り返ったが、川口は「意識的にやっていないですね。駆け引きは一切していないですよ。まあ、駆け引きしているように彼には見えたんでしょうね」と笑顔を見せた。
ヨルダン7人目のバニーヤスィーンは「思いだしたよ。ボールをセットした時、キーパーの顔を全く見ることができなかった。強烈なプレッシャーを感じたからね。いつもならこの位置から助走を始めるんだ。なのにあの時はずっと下がって、下がり過ぎた。助走が長すぎると軸足が不安定になる。コントロールが難しくなる。カーブをかけて蹴ろうと思ったけど上手くコントロールできなかった」、「たいした距離ではないんだけどね。あの時は針の穴を通すような感じだった」などと当時の胸中を明かすと、そんな彼の言葉をVTRで聞いた川口は「運だけでは片付けられない勝負に必要な要素って絶対あると思います。PKのスキルであったり集中力だったり、勝つための執念。最も全てを出し切った試合だったと思う」と結論付けた。
