物を買うならアップルだが働くならグーグル、という調査結果が

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グーグルとアップルは様々な分野で競い合っているが、人材確保に関してはグーグルが優位にたっているようだ。

アップルとグーグルは現在、モバイル分野においてデスマッチを繰り広げている。グーグルのAndroidがマーケットシェアでアップルを負かす一方、利益の大半はアップルがかすめ取っているという状況だ。しかし、世界で最も人気が高い雇用企業に関するLinkedInの最新分析によると、従業員を引きつけるという点においてはグーグルがトップの座を獲得している。また従業員の満足度に関しても、グーグルが明らかに優勢だ。

これはどういうことだろうか。

グーグルとアップルの高い人気

グーグルとアップルの両社がモバイルのような主要マーケットにおいてどれほど重要であるかを考えれば、これら2社がLinkedInの人気雇用企業ランキングでそれぞれ1位と2位を占めているのは驚くに当たらないだろう。グーグルとアップルは未来を形作っていく会社であり、求職者がそこで働くことを望むのは当然だ。

以下は、LinkedInの人気雇用企業ランキングトップ10である。

1. Google
2. Apple
3. Unilever
4. Procter & Gamble
5. Microsoft
6. Facebook
7. Amazon
8. PepsiCo
9. Shell
10. McKinsey & Co.

この他、トップ50以内ではツイッターが23位、Salesforce.comが25位、VMwareが38位、オラクルが39位となった。業種別では「小売りとコンシューマ製品」(1位)、「オイル&エネルギー」(2位)に続き、「テクノロジー」が3位に位置している。

LinkedInはどのようにして特定の雇用企業の人気を算出したのだろうか?全くもって不透明だが、「メンバーと会社の間にある250億以上のデータポイントを分析し、そのデータを何千ものメンバーに関する調査と比較して、会社の親しみやすさおよび雇用スコアを決定した」とLinkedInは言っている。

これ以上の詳細についてはほぼ明かされていないが、LinkedInは自身のブログにおいて、ネット推薦(例えば従業員が他の人に自分の会社を推薦する)の高スコアと雇用需要の高スコアの間には高い相関性があることを発見したと示唆している。つまり、「人気のある」雇用企業となるためにはLinkedInのコネクションを推進せよ、ということだ(※)。より多くのコネクションを持つ会社は、LinkedInの分析において優位となるのである。

※LinkedInは、求人などのビジネスに特化したソーシャル・ネットワーク・サービス

従業員の満足度

しかし企業がいくらLinkedInのスコアを上げたところで、実際に働いている従業員がどう感じているかとは必ずしも関係がない。Glassdoorの分析によると、この点においてグーグルはアップルを相当リードしているようだ。

雇用企業に対する従業員の満足度を計測しているGlassdoorによると、ランキングのトップはFacebookだ。グーグルは6位であり、それほど悪い順位ではない。ではアップルはどうか?なんと34位となっており、Riverbed(2位)、National Instruments(8位)、LinkedIn(14位)、Rackspace (15位)、Workday (19位)、 Salesforce.com (22位)、Citrix (23位)、Intel (31位)、 Red Hat (33位)、などの下に位置している。

アップルは、Glassdoorがソフトウェア・エンジニアへの支払いに関して行った別の調査で6位に入っているため、恐らく給与の低さが原因ではない。(この調査でグーグルは4位、Facebookは9位)

むしろこれは、長い労働時間とそれに付随する仕事と生活のバランスの悪さの問題(アップル従業員による不満トップ3のうち2つがこれに該当する)によるものだろう。グーグルは、これとはまた別の理由によって順位を下げている。グーグルに批判的な従業員は、「会社が大きすぎるために他の従業員あるいは経営陣と連絡を取ることが難しい」点について不平を述べているのだ。これは明らかに、アップルの過酷な労働時間に関する不満に比べればまだましな問題だと言えるだろう。

最良の企業であるための競争

繰り返すが、グーグルとアップルがコンピューティングの未来においてどれだけ重要な役割を果たすかを考えれば、両社が人気の高い雇用企業であることは驚くに当たらない。人々が過酷な労働に耐えてこれらマーケット・リーダーのために働くのは、その対価として得られる見返りが十分に大きいからである。Glassdoorの人気雇用企業トップ50に入らなかったアマゾンはと言えば、労働環境が劣悪であるとされてBusinessweekでかなり厳しく書き立てられた一方で、LinkedInの人気雇用企業調査では7位に入っている。

しかしながら、グーグルとアップルを含むシリコン・バレーのエリート達が互いの従業員を引き抜かないという協定に頼ることができなくなった現在、優秀な人々はただ人気があるだけではなく、従業員の仕事と生活のバランスを尊重してくれる会社で働きたいと思うに違いない。もし現在のランキングがこのまま変わらなければ、この流れはグーグルにとって有利となるだろう。

Matt Asay
[原文]