成長企業におけるサプライヤマネジメント/野町 直弘
先日2020年の東京オリンピックの開催が決定しました。実に喜ばしいことです。
何故なら「目標ができたから」です。この目標というモノは本当に重要なものです。
先日2020年の東京オリンピックの開催が決定しました。実に喜ばしいことです。
「オリンピックよりも前にやることがあるでしょ。」とか「消費税増税のよい理由になっただけ」とかのご批判もありますが、それらを含めても日本のためにも自分のためにもよかったと感じております。
何故なら「目標ができたから」です。この目標というモノは本当に重要なものです。
何でもよいのですが、オリンピック開催という目標は分かり易いですし、前向きな目標であり、しかも7年後という近未来であるが故により一層意味があるのではないかと考えます。
考えてみたらバブル崩壊後の20年間、日本の社会や企業はこの「前向き」な目標がなかったと言っても言い過ぎではないでしょう。こういう時代だからこそ「前向き」でちょっと頑張れば達成できそうな共通の目標が大切だと考えます。
「目標」を持つということは日本全体だけでなく、会社としても組織としても個人にとっても重要です。特にベンチャー企業と言われる所謂成長企業においては常に高い目標を持ち続けることが企業の推進力になります。多くの場合、企業は起業後しばらくは高い成長を続けます。また、この時期は売上を上げることが目標になり、推進力になります。しかし、一方で売上は拡大するもののそのペースは次第に落ちていくものです。
成長企業はここで新たな新市場や新事業の開拓で新たな目標を作り成長を続けようとします。もしくは収益力を向上させていこうとやや軌道修正をする企業もあります。
こういう成長後期の企業にとって調達・購買とはどういう意味を持つでしょうか。
成長企業にとって今までは売上を増やすことが第一の目標だったので、多くの企業で人員、人材は不足しています。そのため、これらの人材を補強するために外の力を使うことが多くなります。つまり成長企業は多くの大企業に比較して重要な機能を外部にアウトソーシングしていることが多いです。外部のアウトソーシング先は彼らにとってみると一緒に成長するためのパートナーです。所謂蜜月な関係が自然と築かれています。
中にはアウトソーシング先が大企業であり、初期は市場価格よりも高いコストを強いられている場合もありますが、多くは自然に集約され成長企業同士の付き合いになり「同じ釜の飯」の同志といった位置づけになります。
一方で、この蜜月な関係も一端成長期から転換期になるとその関係がやや微妙になってきます。今まではとにかく拡大するビジネスへの対応が中心であり、ともすれば相手に急激な人員拡大、設備投資、資金調達を強いてきた訳ですが、それがいきなり「とにかくコストを下げろ。」となるのです。
そこでいきなり他社とのコンペが始まります。しかし今までの長い取引の中でサプライヤの切替えはとてもリスクが高いので次は「他社以下にコストを下げてくれ」ということになります。
これが一回だけでなく何度も続きます。こういう成長企業でも以前はこう言っていました。
「安かろう悪かろうはダメ。サービスの品質が弊社の売り物だ、と。」
サプライヤはそれでも今までやってこれたのは、この成長企業のおかげということもあった訳ですから無理なコストダウンにも協力します。
「多少の無理はしても成長企業のおかげなのだから、」と。でもサプライヤの企業内には「ちょっと無理な依頼が多すぎるのでは」、という声も聞かれるようになってきます。
成長企業は無理な要請でもあのサプライヤなら聞いてもらえるもの、と勘違いするようになります。一方でサプライヤは疑心暗鬼になってきます。成長企業は何を考えているのだろう、と。成長企業のビジネスが伸びているときはなんでもできます。サプライヤにとって多少のコストダウンの吸収も可能です。しかしそれが低成長に移行し、それも何度も、ということになると変わってきます。成長企業は我々のことを「単なる下請け業者」としか考えていない。口では色々言っているけど、それが本音、と。
何故なら「目標ができたから」です。この目標というモノは本当に重要なものです。
先日2020年の東京オリンピックの開催が決定しました。実に喜ばしいことです。
「オリンピックよりも前にやることがあるでしょ。」とか「消費税増税のよい理由になっただけ」とかのご批判もありますが、それらを含めても日本のためにも自分のためにもよかったと感じております。
何故なら「目標ができたから」です。この目標というモノは本当に重要なものです。
何でもよいのですが、オリンピック開催という目標は分かり易いですし、前向きな目標であり、しかも7年後という近未来であるが故により一層意味があるのではないかと考えます。
考えてみたらバブル崩壊後の20年間、日本の社会や企業はこの「前向き」な目標がなかったと言っても言い過ぎではないでしょう。こういう時代だからこそ「前向き」でちょっと頑張れば達成できそうな共通の目標が大切だと考えます。
「目標」を持つということは日本全体だけでなく、会社としても組織としても個人にとっても重要です。特にベンチャー企業と言われる所謂成長企業においては常に高い目標を持ち続けることが企業の推進力になります。多くの場合、企業は起業後しばらくは高い成長を続けます。また、この時期は売上を上げることが目標になり、推進力になります。しかし、一方で売上は拡大するもののそのペースは次第に落ちていくものです。
成長企業はここで新たな新市場や新事業の開拓で新たな目標を作り成長を続けようとします。もしくは収益力を向上させていこうとやや軌道修正をする企業もあります。
こういう成長後期の企業にとって調達・購買とはどういう意味を持つでしょうか。
成長企業にとって今までは売上を増やすことが第一の目標だったので、多くの企業で人員、人材は不足しています。そのため、これらの人材を補強するために外の力を使うことが多くなります。つまり成長企業は多くの大企業に比較して重要な機能を外部にアウトソーシングしていることが多いです。外部のアウトソーシング先は彼らにとってみると一緒に成長するためのパートナーです。所謂蜜月な関係が自然と築かれています。
中にはアウトソーシング先が大企業であり、初期は市場価格よりも高いコストを強いられている場合もありますが、多くは自然に集約され成長企業同士の付き合いになり「同じ釜の飯」の同志といった位置づけになります。
一方で、この蜜月な関係も一端成長期から転換期になるとその関係がやや微妙になってきます。今まではとにかく拡大するビジネスへの対応が中心であり、ともすれば相手に急激な人員拡大、設備投資、資金調達を強いてきた訳ですが、それがいきなり「とにかくコストを下げろ。」となるのです。
そこでいきなり他社とのコンペが始まります。しかし今までの長い取引の中でサプライヤの切替えはとてもリスクが高いので次は「他社以下にコストを下げてくれ」ということになります。
これが一回だけでなく何度も続きます。こういう成長企業でも以前はこう言っていました。
「安かろう悪かろうはダメ。サービスの品質が弊社の売り物だ、と。」
サプライヤはそれでも今までやってこれたのは、この成長企業のおかげということもあった訳ですから無理なコストダウンにも協力します。
「多少の無理はしても成長企業のおかげなのだから、」と。でもサプライヤの企業内には「ちょっと無理な依頼が多すぎるのでは」、という声も聞かれるようになってきます。
成長企業は無理な要請でもあのサプライヤなら聞いてもらえるもの、と勘違いするようになります。一方でサプライヤは疑心暗鬼になってきます。成長企業は何を考えているのだろう、と。成長企業のビジネスが伸びているときはなんでもできます。サプライヤにとって多少のコストダウンの吸収も可能です。しかしそれが低成長に移行し、それも何度も、ということになると変わってきます。成長企業は我々のことを「単なる下請け業者」としか考えていない。口では色々言っているけど、それが本音、と。