「子供自慢」はほどほどに!幸福酔いは家族を危険に晒す行為

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インターネットの普及により、社会の情報化は拡大しています。個人情報の扱い方も以前にもまして敏感になっています。特に自分以外の個人情報を扱うかう際は最善の注意を払う必要があります。

著名人や有名人など一部の人を除き、インターネット上で本名を晒さないことは暗黙の了解となっており、ニックネームやハンドル名といった形で実名とは異なる名称でインターネットに参加する方法が一般的です。

画像においても身内や親しい知人に限定したコミュニティーを除いて、自分だとはっきり分かる画像を利用するケースも控えられています。

こうした対応は、自分の身を守るだけでなく、現実世界で自分に関わる人への迷惑や被害が及ばないための回避策でもあり、インターネットサービスに参加する上での常識やリテラシーにもなっています。


■喜びや幸福、悩みを共有できるインターネット
SNSなどに参加していると。他の参加者のつぶやきで「彼氏・彼女ができました」「結婚することになりました」「結婚式は○○で行いました」「子供を授かりました」「(子供が)生まれました」といった報告を目にすることはそれほど珍しいことではありません。「人生の節目」や「お祝い」などポジティブな報告は、親しい人と祝うことで、「喜び」や「幸福感」はより大きなものになります。

また、本人が主役の投稿が、子供が主役の“子育て日記”的な投稿に変わることもよくあります。

特に、第一子の誕生後は初めて親となった嬉しいさや、子育ての不安・悩みや苦労も多く、そうした事柄をSNSなどで知人や経験者と共有したり相談できたりすることは、ネットを有益に活用できる一つの方法です。

しかし、こうした喜びや幸福感には、危険も潜んできます。


■幸福感に酔ってネットの危険に踏み込む怖さ
喜びのあまり、「子供の名前が決まりました」「これが○○です」などと、子供の名前や写真を公開し、知人などの「かわいいですね」などのうれしいコメントに気をよくして、その後も写真などが公開されてくるとなると話は変わってきます。

自分の子供をかわいいと思うことは親の自然な感情ですが、誰が見ているかも分からないネット上に、他人が容易に本人を特定できる写真や名前などを投稿することは、“子供の個人情報”を親が流出させていることと同じ結果になります。

喜びや親しい人からの好意は、とても心地がよく、通常であればもっている注意や思慮深さを麻痺させることがあります。

現実世界の対面コミュニケーションであれば問題ないことでも、不特定多数に拡散する可能性が高いネット上は、大きな危険を含んでいます。

家族や友達であってもネット上に画像を投稿する際は、一言断ってからというのは常識です。相手の了承を得られない状態で顔写真をネットに投稿するのは非常識だという認識は、今や誰しもが持っているでしょう。

それは、自分の子供であっても同じことです。赤ちゃんは「喋れないから了承なんていらない」「顔もまだ特定されないだろう」から大丈夫という考えは、一番危険です。


■「SNSだから大丈夫」は勘違い
参加者が承認した同士で、投稿内容も相手がわかっていると思うソーシャルサービス(SNS)は、日本においては「mixi(ミクシィ)」で多く人に広まり、現在ではたくさんのSNSが存在しています。

直接繋がる相手が限定されているSNSでは、嫌いな人や苦手な人とはSNSで友達としてつながっていないから、自分の投稿うや日記を見られることはない。だから少しくらいの陰口や批判を書いても大丈夫!なんて勝手な思い込みや勘違いをしている人も少なくないでしょう。

しかし、陰口や批判を書いた相手が、あなたの共通の友人と繋がっていたとしたら、共通の友達経由であなたのしたことが、「こんな風に書いていたよー」などど、伝わったとして不思議ではありません。

現実には、伝わらないことのほうが少なく、ほぼ伝わっていると思ったほうがいいでしょう。

たしかに“閉じた世界のSNSだから安心”というのは、間違ってはいませんが、絶対に情報が漏れない・閉じられているわけではなく、より多くに人と繋がることで、情報は伝達される可能性があります。

そして情報が漏れれば、 “閉じた世界のSNSだから個人を特定しやすい”ということも認識しておく必要があります。こうした認識をもってSNSを利用した方がリスクを回避しやすくもなります。


■親のトラブルが子供に被害を
さて、子供の画像ですが、幼稚園、保育園、小学校と人と社会に関わっていくと、問題はさらに厄介なものとなります。

ある日、仲良くしていたママ友やパパ友の間でトラブルが発生したとしましょう。仲違いした人がともにSNSを利用していた場合、あなたやあなたの家族を良く思わない人達の目に、あなたの子供の画像が晒されることにもなります。

“我が子の自慢”で喜ばれていたことが“我が子の危険”に変わってしまうという事態になります。


■気付いた頃にはもう遅い?にならないように
ネットでの異変は早期には気付きにくく、何かしら異変に気付いた時は既に手遅れというケースが多くあります。

気が付いてから子供の画像や投稿を削除しても、すでに拡散されていれば状況は改善できません。ネット上での嫌がらせが止まなければ、最悪アカウント削除でSNSやネットの利用を停止するといった事態になることまであります。


家族の幸せは家族内に留めておくことが自分自身や子供、家族全体のリスクヘッジになります。

子供は親が保護者ですが、親の所有物ではありません。個人をはっきり特定できないよう“大人と同じ扱い”をすることが、インターネット上では必要です。