人はネットだとなぜ炎上・暴走するのか? あなたもトラブルメーカー予備軍?

写真拡大

ブログにはじまり、TwitterやFacebookなどのSNS、さらにはスマートフォンが普及したことで、リアルタイムに近いコミュニケーションができる時代に移行しています。それにともない、ネットの発言や書き込みで「炎上」するケースも多くなっています。かつては、ブログが炎上のメインステージだった頃と比べると、巨大な炎上が減った反面、最近ではSNS上での発言から小〜中規模なトラブルが多発しているケースが多くなっています。

ネットではなぜ炎上のようなトラブルが発生しやすいのでしょうか?

リアルな世界と違いネットの向こう側に存在している人は、目では見えません。このことが、SNSや掲示板が“個人の部屋”のようなプライベート空間にいる錯覚を生み出します。

SNSで発した言葉は、自分の部屋でつぶやいているつもりでも、例えば、渋谷の交差点で大きな声で叫んだり、2万人収容の武道館のステージで話したりする以上に拡散するケースもあります。

つまり、ひとたびネットに向かってアクションを起こした場合、多くの人が見聞きしているので、発した言葉やメッセージをなかったことにはできないのです。

■名人だって例外ではないトラブルメーカー
最初はネットを意識して、新しいサービスに登録した時は恐る恐る使っていたはずなのに、慣れてくるうちにだんだん感覚が麻痺して注意や制御ができなくなるケースがあります。

著名なネットワーカー、ブロガー、ライター、ジャーナリストに至るまで、SNSデビュー当時は冷静沈着な書き込みや慎重なコメントで対応していた人が、いつの間にか意味もなく立て続けに投稿をしたり、条件反射のようにコメントしたりして炎上や批判にまきこまれていくケースも少なくありません。場合によっては、自ら“火付け役”になっている事も。

■素早いコメント、投稿・更新の多さはトラブル予備軍?
SNSなどのネット活動で最も危険なのが時間認識の喪失です。ネットは24時間365日止まることがありません。いつでも利用できる反面、投稿する意志がないときでも閲覧していることが多くなりがちです。目の前を流れている情報が気になって、コメントや投稿することもが増え、それに対するコメントや投稿といったやり取りが発生します。慣れてくると、このやりとりのサイクルが少しずつ加速していきます。

気がついたときには、既にコメントや投稿に対して条件反射的に書き込みを行うようになり、時間を十分に使わずに書き起こす文章は、感情がむきだしになり、相手や社会に対する配慮に欠け、普段は使わない乱暴な言葉を使ったりしてしまいます。

また、投稿の内容をしっかり読んだり、調べたりせずに結論を出したり、真意を取り違えたりもしてしまいます。さらに、人の注目を集めたいという欲求が高揚し、ありもしない内容や公表してはいけない内容を投稿してしまう行為に及ぶこともあります。

こうなると、本来持ち合わせていた冷静さは欠け、発言を客観視することができず、自分一人ではコントロールができないといった状況になってしまいます。

街中や歩道など、多くの人が行き交いする場所で、声を荒げて話す人がいたら、誰しも驚き距離をおくことでしょう。

そう、ネットでトラブルを起すときは、そうした言動をあなたがしているということになのです。

■トラブルメーカー予備軍にならない対策
ネットでの投稿やコメントをする前に、以下のようなことを習慣付けるようにしてみましょう。

・投稿する内容が事実かどうかを調べるようにする
・投稿、送信前にしっかり読み直す
・投稿が誰かを傷つけたり、誰かに不利益をもたらしたりしていないかを考える
・言葉使いを考える
・過剰な反応をせずスルー力を鍛える

特に顕著に現れるのが、大きな災害などあった際のTwitterでの発言。タイムラインに流れてきた情報が本当かどうかの確認もせず、気軽にリツイートすることが、そもそも間違っています。また、噂レベルの話、自分が見聞きした内容でもないことに感情的にマジレスすることもトラブルの種になります。

東北地方太平洋沖地震や福島第一原子力発電所事故での誤情報やデマ情報の拡散で多くの迷惑や風評被害が発生したことなどは記憶に新しいところです。

膨大な情報が流れるネットで、自分自身と自分の時間を見失わないことが大切なわけですが、スマーフォンやパソコンなど、手軽に毎日ネットを利用できる環境がある現在は、それが一番難しいといえます。週に1日、ネットを利用しない日を設けることも、対策としては有益な方法です。

ネットは便利で役立つサービスであるからこそ、トラブルに巻き込まれたり、トラブルの元になったりせずに、上手に使いこなしたいものです。