活発化するアジア企業の資金調達

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急速な経済成長や企業の競争力強化の必要性の高まりなどに伴ない、アジアでは近年、企業の資金需要が高まっています。これまでは銀行からの借入が主な資金調達手段でしたが、最近では社債発行など、資金調達手段の多様化が見られます。また、2012年は、世界的な景気減速の影響を考慮して、相対的に高い経済成長を続けているアジア各国においても、継続的に金融緩和が行なわれたことなどから、金利の低下が社債発行の追い風となりました。

この結果、2012年のアジア企業の社債発行額は787億米ドルに達しました。これは、2011年のアジアの発行額の約2.5倍であるほか、他の新興地域を大きく上回る額となりました。また、2013年に入ってからも、アジア企業は社債発行を活発化しています。特にハイイールド社債の発行額は、すでに2012年通年の水準を上回っており、2013年通年では、2012年の2倍程度の発行額になると見込まれています。

アジアにおいては、引き続き、内需拡大や域内需要の高まりが見込まれ、企業が設備投資などを積極的に行なうことで経済活動の好循環を生むことが期待されます。一方で、経済がさらに好調となれば、インフレ圧力の高まりも懸念されますが、先進国の景気動向を考慮すれば、アジア各国の中央銀行は、積極的な金融引き締めにも動きづらいとみられることから、企業にとっては引き続き社債発行に好ましい環境が続くと考えられます。

このように、引き続きアジアの社債市場の拡大が見込まれることに加え、財務内容が良好な同地域の企業は、今後、信用力の向上なども期待されることなどから、海外の投資家からも、魅力的な投資対象としてアジア社債への注目がさらに高まりそうです。

(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。)

(2013年5月17日 日興アセットマネジメント作成)

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