人気シリーズヒロインを演じた木南晴夏と堤幸彦監督

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 15日、新宿バルト9でテレビドラマ「家族八景 Nanase, Telepathy Girl's Ballad」のブルーレイ&DVD発売と、映画『MY HOUSE』の公開を記念して、ドラマに出演した木南晴夏と、演出を務めた堤幸彦監督によるトークショーが行なわれた。

 「家族八景」は、人の心を読むことが出来る超能力者・火田七瀬を主人公にした、筒井康隆による人気SFシリーズ「七瀬三部作」第1作の映像化。住み込みの家政婦となった七瀬が、さまざまな家庭の裏側・本音をのぞき見る、という内容となっている。

 過去に何度か映像化された作品だが、堤監督が手掛けた2012年版は、七瀬に心を読まれた人は、心の本音を語りながら奇妙な姿に変身、それにより本音が具現化するという、堤監督らしいトリッキーな演出を披露した。たとえば1話では、七瀬に心を読まれた人は、その本音を頭で考えている間、なぜか裸になってしまう、といった具合である。堤監督は「本当は全編裸にしたかったんですが、裸になってくれる人が少なくてキャスティングが出来ないといわれ。だから2話では花が咲くとか、いろいろと実験的なことをやっています」と笑う。

 また堤監督は、七瀬を演じた木南を「この人は天才ですから」と絶賛。七瀬に心を読まれた人の内面の声は、木南が声を担当したといい、「リハーサルでも、この人(木南)はその人の声色を瞬時に覚えるんです。(1話のゲストの)西岡徳馬さんを呼びましょうかと提案しても、大丈夫ですと。すぐ聞いただけで、西岡さんの声になっちゃうんですよね」と舌を巻く堤監督だが、「今後は無表情のパワーですね、『承知しました』というような役をやってもらいたい」と大ヒットドラマ「家政婦のミタ」を彷彿(ほうふつ)とさせるジョークで、会場を笑わせた。

 この日は、堤監督の最新映画『MY HOUSE』も上映。路上生活者の日常をモノクロで淡々と描き出したストイックな作風は「家族八景」とは真逆の世界観を持つが、「『家族八景』は(堤幸彦)Aさん、『MY HOUSE』はBさんが撮ったんですよ。藤子不二雄的なね」と冗談めかしたコメントで、煙にまく堤監督だった。(取材・文:壬生智裕)

全話収録の「家族八景 Nanase, Telepathy Girl's Ballad」ブルーレイ&DVDは6月6日発売 税込み価格:各1万5,750円
映画『MY HOUSE』は5月26日より新宿バルト9ほか全国公開