ポテンシャルの高さをKTT(コリアン・トップチーム)のトレーニングでも如何なく発揮しているヤン・ドンイ。スタミナ強化も続いた

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15日(水・現地時間)に、バージニア州で開催されるUFC on FuelTV「Korean Zombie vs Poirier」には、韓国から第3のUFC戦士ヤン・ドンイが出場する。

ウェルター級のキム・ドンヒョン、同大会のメインに出場するフェザー級のジョン・チャンソンの陰に隠れがちなヤン・ドンイだが、KTTのジョン・チャンリョル代表によると、ポテンシャルはナンバーワンといっていい逸材だという。

特集アジア、眠れる獅子を地でいくヤン・ドンイに過日、ソウルでインタビュー。その後、今大会参戦が決まり、既にバージニアで調整に入っていた彼に対戦相手のブレッド・タバレスについて尋ねた。
Special Thanx to Mr.GT KIM and WS Choi

――UFCで1勝2敗、戦績や戦い方を振り返ってどのように感じていますか。

「UFCにファイターになれたことは嬉しいです。戦績に関しては、満足していないです」

――自分が思っていた以上に難しく感じたことや、手応えを感じたことはありますか。

「ただ、試合が用意されて戦うだけなので、そういう風なことを考えたことがないので、その質問にはどういう風に答えれば良いのか分からないです。今からすれば、ケージが思ったより広かったことと、お客さんが凄く多いということ。UFCの選手の扱いが、優しかったことが印象に残っています」

――カート・マクギー戦で、勝負所でテイクダウンを決められたような印象が残っています。

「あの試合は、前半はマクギーに力強さを感じなかったですし、レスリングも自分の方が上だと思い、自信を持って戦っていました。その後、スタミナが切れて2度ほどテイクダウンを許してしまったことが悔しいです。米国人選手が持つスタミナの部分は、凄いと思います。そういう米国人ファイターに勝つには、もっと努力が必要です。練習するしかないです」

――KTTには金網もあるし、充実した練習ができているようですね。

「スパーリングでも、ブレイクなしで、ストップなしの練習を続けています。カーディオやサーキットトレーニングも取りいれているのですが、少し練習に慣れたと思ったら、コーチがプログラムを変えて、より厳しくなるので、ずっと厳しい練習が続いています(笑)。

練習量が足りないとは思っていないですが、もっと強くなるために努力を続けています。それなのに試合になると、100パーセント出し切ることができない。すぐに疲れてしまうし、持っている技術も全てを使い切れていない。もっと経験を重ねて、自分の力を発揮できるようにしていきたいです」

――次の試合、期待しています。

「まだ、正式に決まっていないですが、5月には試合ができそうです。次は100パーセント、力を出し切れるように頑張りたいです」

上のように韓国で語っていたヤン・ドンイだが、その後、今大会でブレッド・タバレスと戦うことが決定。バージニア入りを果たし、現地のテコンドー道場を拠点に調整するヤン・ドンイに引き続きインタビューを試みた。

――対戦相手のブレッド・タバレスの印象を教えてください。

「ハワイ生まれのファイターらしく、身体能力が高く、柔らかい動きができる選手です。特に打撃が良いですね。BJ・ペンにも似ていて、ラッシュするわけではないけど、勝負時にはマシンガンのような、連続してパンチを出します。

打撃のコンビネーションは注意しないといけないです。体重の乗ったパンチも危険ですし、キックも油断できないです。特にパンチのあとで使うローキックと、ハイキックは注意が必要です。KOパンチも持っていますが、ケージレスリングも上手い相手です。腰が重くて、倒されてもすぐに立ち上がることができます」

――弱点はどこだと思いますか?

「特別、ここが弱いというウィークポイントはないです。UFCのファイターは、自らの弱点を克服しながら戦い、成長し続けています。だから、相手の弱い部分を攻めるという練習や作戦ではなく、自分の強い部分で戦うべきです。強いて言えば、クリンチ状態で自ら攻めるというタイプではなく、相手のミスを待つタイプで、スタミナ面でも万全とは言い難いと思います」

――そんなタバレス戦では、どのように戦うつもりですか。

「接近戦を想定しています。それもずっと近い距離で戦うのではなく、足を使って距離を取り、一気に詰めてダーティ・ボクシングで戦いたいです。ダメージを与えたり、トップを奪うことができれば、パウンドで勝負を掛けます。ただ、無理にテイクダウンを奪うとスタミナが切れるので、ケージに押し込んで戦いたいです」

――かなりタバレスの研究をしているようですね。

「スタミナが切れると、左フックを狙いたいです。とにかく、たくさん動いて隙をうかがうこと。寝技に持ち込んでパウンドで削っていきたい。今回の試合で、良い結果を残さないとリリースされるかもしれないので、死んでも負けない覚悟で戦います」
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