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世界最大のコンシューマー向け国際家電ショー、「2012 International CES」が2012年1月10日からラスベガスで始まった。初日の講演ではQualcomm社 会長兼CEOのPaul Jacobs氏が、モバイルは、いろいろなことを変えてきた。今や世界の12億人がモバイルでニュースを読み、どこにいてもエンターテインメントを楽しめる。すべてがモバイル中心の時代になった、と携帯端末がけん引していく家電開発の未来を華々しく宣言した。同講演でデモンストレーションが行われたのは、モバイルでFTTH並みの速度を実現するとういう驚異の次世代携帯LTE(long term evolution)に対応したタブレット端末。同社の携帯機器向けの統合型プロセッサ「Snapdragon S4」を搭載し、OSはMicrosoft社の「Windows 8」だ。

携帯端末が家電の開発に与える影響というのは、以下のようなしくみだ。今日のスマートフォンやタブレットは、パソコンと比べてはるかにきょう体が小さいので、機能に制約があるというのが従来の原則だった。それにもかかわらず、メールや画像編集、ゲームなどパソコン並みの多機能を実現しているのは、小型機器で使うことに特化したSoC(system on a chip)という小さな頭脳を搭載しているから。 たとえばパソコンでは、マザーボードにCPUやチップセット、メモリーなど主要な部品を個別に実装している。一方SoCではこれらの主要な部品を1チップに収めている。パソコンのマザーボードが1チップに集積されているようなものなのだ。

こうした技術を背景にLenovo社では、携帯端末関連の事業とデジタル家電の事業を統合し、液晶テレビ事業に参入する。インターネットに接続して、動画配信サービスやアプリケーション・ソフトウェアを利用できる、「スマートテレビ」の登場だ。これはなんと、Qualcomm社の「Snapdragon」のデュアル・コア品を搭載した55型の液晶テレビ。デュアル・コアとは、CPUの命令をこなす部分=コアの数だけ全く違う命令を同時にこなせる、というもの。ひとつの長い処理を分割で同時に処理、または二つの異なる処理を同時に出来るため、シングルコアよりも軽快な挙動を実感しやすい。さらに携帯端末向けのソフトウエア基盤「Android 4.0」を使用し、テレビの中身が携帯端末化したもの、というイメージだ。

携帯端末向けの半導体は安く大量に調達できるため、価格競争の厳しい分野にも進出しやすい。今後どんなインテリジェント家電が登場するのか楽しみだ。


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(MIYUKI KOMATSU)


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