「手帳の付録」。この名前とアイコンのスマートフォン用アプリです。内容を想像できますか?

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ある日、僕は「手帳の付録」という名前のアプリを見つけました。しかし名前を見てもアプリの内容が全く想像できなかったのです。みなさんはどうでしょうか。

アプリのアイコンは手帳の絵になってます。英語のタイトルでもないし、ゲームのタイトルみたいな固有名詞でもありません。付録っていうと雑誌についてくる付録だから、手帳に何か付録って付いてたかなあ…。

絶対考えたらわかると思ってすこし考えてみましたが、全然浮かんできません。そして結局僕は、「たぶん外国のアプリ開発者が日本語対応する時に機械翻訳で変な日本語になったんだろう」と、いい加減な見当をつけて諦めてしまいました。

そしてアプリの説明ページに移動して大きく納得しました。このアプリ、ビジネス手帳とかの最後の方のページにある「年齢早見表」とか「手紙の書き方・季節の挨拶」、「郵便料金表」みたいなやつをまとめたアプリだったのです!たしかにあれは「手帳の付録」。まったく存在を忘れていました。

花言葉、用紙サイズ、緊急電話番号表など、20以上の項目が並んでいて、選ぶとそれぞれが表示されるシンプルな内容です。アプリの設定画面では表示の文字色や背景色を変えられたり、不要な項目を非表示にすることもできます。僕は年末に大企業が配るような手帳の味気ないテイストを目指し、白地に濃い灰色の文字にしました(アプリ画面は2枚目の画像参照)。

しかし手帳の付録、いつでも検索すれば簡単に手に入る情報ばかりです。貴重な情報が一切含まれていません。でも逆に今の世の中、検索して知ろうと思ったものしか知れない世の中でもあると僕は思います。おせっかいにマナーとかを並べている手帳の付録に、昭和を感じずにいられませんでした。

「男性は20代、40代、60代に厄年があるのに、女性は30代に2回もあるんだ…」など、全く必要としていない情報に、全く必要ないタイミングでランダムに出会う有意義なひとときを与えてくれるのです。「リンドウの花言葉は“悲しむあなたが好き”および“正義”か……どういうことやねん…」普段全く考えないでいいことを目の前に並べられ、ワンダーな心理状態に行けること間違いなしです。

このアプリにはまだ搭載されてないんですが、よく手帳の付録に都内の路線図が載っていますよね。大阪はよく見ますが名古屋の路線図まで載っている手帳があって、そういうのを眺めながらぼんやりするのが僕は好きなので追加されたら嬉しいなあと思います。自分で調べて便利に使える路線図じゃなくて、単に1枚ベタッと路線図があるのがいいんです。

スマートフォンになかなか慣れることが出来なくて、嫌いになりかけてる人も、こういうすごく単純なものを何個か入れておいて時々見ると、心が安らぐかもしれません……。これをきっかけに僕は、無駄で年に1回ぐらいしか見ないアプリをどんどん入れておこうと思いました。不思議な頼もしさがあります。


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(香山哲)