過去、何度も浮上しては消えてきたイチロー三番打者構想。今のマリナーズには信頼できる三番打者がいないが、エリック・ウェッジ監督はイチローを先頭打者で固定する考えに変わりはないと述べている(2月8日付シアトルタイムズ)。

 この10年間にマリナーズを指揮した監督たちは、イチローを三番にあげることを一度は考えてきた。理由の第一は、いうまでもなくイチローの卓越したバッティング技術と、高い得点圏打率だ。第二にあげられるのは、相手チームに脅威を与えられる三番打者の欠如だ。

 2001年の2月には、当時のルー・ピネラ監督が「日本からやってくる選手は三番に置くのが論理的だ」と述べたが、イチローの希望を受け入れて先頭打者として起用することになった。それでもピネラは「イチロー三番打者構想」にこだわり、2002年は3度、イチローを三番で起用。イチローも14打席8安打と、監督の期待に応えた。

 2004年にはボブ・メルヴィン監督(当時)が、チーム事情から「一時的措置」としてイチローを三番にあげた。2006年にはマイク・ハーグローヴ監督(当時)が「三番イチローは興味をそそられる。イチローの意向を確認しなければならないが、それでチームの得点力があがるなら、考慮する価値はある」と述べた。

 2009年にはドン・ワカマツ監督(当時)がオープン戦でイチローを三番に起用して周囲を驚かせた。

 2001年にイチローは「先頭打者が一番落ち着く。ぼくはホームランバッターではないし、メジャーの選手のなかに入ると、ぼくは三番打者にはどうしても見えないと思う」と述べたことがある。

 先週のファン感謝祭で「イチロー三番打者構想」について訊かれたジャック・ズレンシックGMは「今のところ、これまでどおりでいくつもりだ。ほんの小さな変化でも、様々なところに影響が出てしまう。ほかの選手の心理面にも影響を与える。気持ちが落ち着いていること、自分に自信が持てることは大きい。春季キャンプでは監督やスタッフから意見を聞くが、イチローの先頭打者は変わらないだろう」と答えた。