前日のマルセイユにつづき、22日の第3節でようやく今シーズン初勝利をあげたボルドー(対パリ・サンジェルマン、2―1)。ロスタイムに入って4分、コーナキックからDFのシアニがヘディングでゴールを決めるという劇的な逆転勝利だった。

 レキップ紙によると、試合終了後のミックスゾーンは報道陣であふれ返った。お目当ては決勝点を絶妙のコーナーでアシストしたMFヨアン・グルキュフ。ただし話題は、今季初勝利の感想もほどほどに、前日に報じられた移籍問題へと集中した。この試合のベンチスタート(74分から出場)で、噂に信憑性が増したからだ。グルキュフは「わからない。クラブが決めること。僕からコメントはない」と答えるにとどめた。

 ボルドーでの初勝利となったジャン・ティガナ監督にも同じ質問が飛ぶ。白星に気をよくした指揮官の口は滑らかで、グルキュフが前日にトリオー会長に直談判をしたというレキップ紙の報道を裏づける発言が飛び出した。

 「彼はきのう(21日)会長に移籍を求めて話に行った。彼がクラブを去るのは可能だ。しかし試合の前日にそんなことをするものじゃない。とくにチームが2連敗しているとなればなおさらだ。でもその制裁で彼をベンチに置いたわけじゃない。ジュシエ(MF)のほうがモチベーションが高かったからだ」。

 監督は「チームに代表の選手がいたら出したくないのは当然。しかし選手の選択にまで立ち入ることはできない。契約には移籍の際の取り決めも含まれている」と自分に決定権がないことを主張した。

 一方、トリオー会長はもっと警戒を強めた対応。報道陣からは「これからもコーナーを蹴るのはグルキュフですか?」という“工夫”された質問を受けると、「彼かべつの選手かはあまり重要でない。ほかにコーナーを蹴る選手はいる」と答えた。グルキュフの“直談判”についても「ヨアン・グフラン(FW)? 誰も私に会いに来てはいないよ」とはぐらかした。

 なお、レキップ紙独自の情報によると、グルキュフのリヨン入団は24日にも正式に発表される見通しだという。ボルドーは2650万ユーロ(約27億7000万円)という破格の移籍金を設定していたが、2000万ユーロ(約21億7000万円)程度に落ち着きそうだ。この合意の裏には、リヨンがレアル・マドリーからオファーを受けているミッシェル・バストス(フラジル代表)の売却をまとめたことがあるとされる。