欧州の他の主要リーグに先駆けて、フランスのリーグ・アンが7日に開幕した。8日にボルドー対モンペリエ戦を残すが、それ以外は昨シーズンの上位陣がすべて白星でスタートを飾れずに終わった。

 とくに王者マルセイユは再昇格したばかりのカーンにホームで1―2で敗れた。主力の大半をW杯にとられた出遅れが響いている。昨季2位のリヨン、3位オセール、4位リールはいずれも引き分けた。

 一方で今シーズンの飛躍を予感させたのが昨季13位に沈んだパリ・サンジェルマン(PSG)。サンテティエンヌに3―1で快勝し、5シーズンぶりの開幕戦勝利で首位スタートを切った。

 主力がすべて残留したうえ、モナコからネネ、リヨンからボドメールと2人の強力な中盤を獲得したPSG。W杯に出場した選手はゼロ、移籍も早々に決めるなど、充実したプレシーズンを過ごした結果が好スタートにつながったと言える。

 とくに魅力なのは攻撃陣の層の厚さ。新生フランス代表に招集された長身FWオアロ、スピードとテクニックが武器のトルコ代表エルディンの2トップはリーグ屈指の破壊力で、これをサポートする布陣もネネ、セセニョン、ジュリ、リュインデュラと役者は豊富だ。GKクペ、MFマケレレと大ベテランが健在で、なおかつその控えも充実している。

 今年はクラブ創立40周年。2年目のコンブアレ監督もベテランと若手をうまく使い分けてモチベーションを高め、チームの一体感を生み出すことに成功している。今月末のヨーロッパリーグ・プレーオフ(対マッカビ・テルアビブ)で勢いをつけ、ここ何年も鳴りを潜めていた欧州の舞台でも名門復活を遂げたいところだ。