W杯開催中の練習ボイコットなど一連の不祥事の究明に乗り出していた調査団が6日、フランスサッカー連盟(FFF)で開かれた緊急理事会において、規律委員会に報告書を提出した。レキップ紙が報じた。

 報告書を検討した理事会は、ボイコットを主導した責任者として、パトリス・エヴラ(マンチェスター・ユナイテッド)、フランク・リベリ(バイエルン・ミュンヘン)、ニコラ・アネルカ(チェルシー)、エリック・アビダル(バルセロナ)、ジェレミー・トゥララン(リヨン)の5選手を挙げた。

 5人に絞った「客観的な」根拠としては、エヴラとリベリはそれぞれ主将、副将として。アネルカは、監督を侮辱し、選手の“反乱”の原因を生んだため。アビダルは、一次リーグ最終戦(対南アフリカ)の出場を拒否したため。トゥラランは練習ボイコットを主張したと自ら認めたため、であるとされた。

 規律委員会が今後この5人にどのような処分を下すかは明らかになっていない。フランス代表のローラン・ブラン新監督は、特定の誰かを処罰することに反対で、次の親善試合(11日、対ノルウェー)のメンバーからW杯に出場した23人全員を外して“連帯責任”を負わせる形を選んだ。ただし理事会の中には、元フランス代表のリリアン・テュラム氏を筆頭に、ボイコットの首謀者に厳罰を科すべきとする意見も根強い。

 これに対してブラン監督は、5日のノルウェー戦メンバー発表の席で、「起こったことは消せない。これはひとつの傷として残る。それを癒すのは、何より勝つことだ」と語って、謹慎などの処分を下して戦力が低下し、ユーロ予選に影響すれば、ますます傷は深くなると主張、理事会にクギを刺していた。規律委員会は17日に5人に対する処分の是非を明らかにする予定だ。