リーグ・アン開幕を2日後に控えた5日、昨シーズンのフランス王者、マルセイユが“大物FW”の獲得目前に来ていると伝えられた。練習前に開かれたディディエ・デシャン監督の記者会見には、外国のメディアも含め多くの報道陣が詰めかけた。レキップ紙などが報じている。

 デシャン監督は「開幕戦の取材でこんなに集まってくれたのか」と冗談を飛ばすなど終始上機嫌で、「クラブに資金のメドがついた。何日か後にはレベルの高い選手の獲得が決まると思う」と明かした。

 具体的には、その選手がマルセイユに来ることを希望しており、あとは相手クラブおよび選手と、条件面を詰める交渉が残されているだけだという。ただし、その選手の名前についてはいっさい明らかにしなかった。

 各メディアは一斉にデシャン監督が手放しで喜ぶほどの“大物FW”が誰なのか推測している。地元のラ・プロバンス紙は、かねてからデシャン監督が獲得を熱望していたアルベルト・ジラルディーノ(フィオレンティーナ)を有力視する。次いで、W杯で注目を浴びたウルグアイ代表のルイス・スアレス(アヤックス)。これもこれまでしきりに取り沙汰された名前だ。

 この2人を本命、対抗とすれば、ここへ来て急浮上した“大穴”がディディエ・ドログバ(チェルシー)。かつて所属したマルセイユを「心のクラブ」と公言するドログバが、キャリアの終盤に向けてフランスに戻ってくるのか注目される。

 いずれにせよ、デシャン監督はこの“大物FW”をママドゥ・ニアンの後釜ではなく、あくまで攻撃のパートナーと考えている。ニアンが希望するフェネルバフチェへの移籍は、徹底して認めない構えだ。