それはともかく、そんなこんなを思いながら、後輩のプレイを見ていると、やっぱりもったいない気がする。もっと頭を使いましょう! と、僕が高校時代にできなかったことを求めたくなる。観戦のプロになって分かったことだけれど、頭の中身を少し入れ替えるだけで、プレイはかなり上達する。1ランクも2ランクも上の選手になれる。で、サッカーは上手くなればなるほど、楽しくなる。

 ただし、僕らの時代にはない良い点もあった。

 現役の試合が、1軍対1軍と2軍対2軍の計2試合用意されていたことだ。部員のほぼ全員が、試合に出場できることだった。

 僕らの時代に2軍戦はなかった。セルジオ越後さんが日本サッカー界の問題点だと常々指摘している「補欠を大量に発生させる社会」そのものだった。

 どの競技もそうだと思うけれど、補欠ほどつまらないものはない。日本代表でも、試合に出た人と出ない人との間には、計り知れない温度差がある。出ない人はなんにもおもしろくない。でも、そうした態度を外に見せてはいけない。監督批判もできない。

 とはいえ、監督が替われば、メンバーはがらり一変する。それは、オシムに言わせれば「監督の趣味の問題」となる。

 補欠とレギュラーが表裏一体の関係にあるのがサッカーの特徴。そしてこれこそが、サッカー選手の一番の悩みになる。選手にとって監督が「恩師」にあたるケースはそう多くない。

 その昔、もし僕が補欠だったら、どうしていただろうか。部活を辞めていた可能性は高い。サッカー好きのライターになっていなかった可能性は大ありだ。でも、2軍戦があったら、辞めていないかも知れない。つまり補欠は、ファンを減らす危険をはらんでいる。

「補欠禁止!」

 2軍戦を見ていると、僕は改めてそう叫びたくなるのである。

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