「しょう油は韓国が元祖」だと、韓国の3大紙の一つ「中央日報」が伝えている。日本起源のように誤解されているのを正すため、今後韓国メーカーが世界戦略を発動するのだという。日本メーカーは「初耳」と驚き、ネットではこの記事が話題になっている。

「日本の製品のように認識されているのを正したい」

   「中央日報」の2008年6月4日付けの電子版によれば、韓国の液体調味料会社「トンウンFC」が2年以内に米国アナハイムに支社を設立。世界戦略を開始する。記事には、

「世界市場で韓国の伝統発酵食品のしょう油が日本の製品のように認識されていることを正したいという。初期には日本のテリソースをベンチマーキングして世界市場に軟着陸した後、世界の人の舌を変えていく計画だ」

と書かれている。

   世界各国で日本食ブームが広がる中、「しょう油」は今や日本発の世界語だ。キッコーマン広報によれば、同社1社だけで、アメリカの家庭で使われるしょう油の約60%を占めているのだという。キッコーマン広報はJ-CASTニュースに対し、

「しょう油の韓国起源説は初耳です」

と話し、驚きを隠さない。

   ネットではこの記事が大きな話題になっていて、

「このように自信満々に書かれると『醤油』が本当に韓国を元祖にしたモノなのかと思ってしまうから不思議」
「昨日まで無かった歴史や伝統がある日突然あった事になる国」

などという意見が出ている。

   日本醤油協会によれば、鎌倉時代にお坊さんの覚心が中国から持ち帰った味噌の製法から作り出されたのが「たまりしょうゆ」の始まり。現在家庭で広く使われている大豆や小麦を使った濃口の「本醸造しょう油」は江戸時代初期に生まれた日本オリジナルのものなのだという。「中央日報」の記事は違っているということになるが、同協会ではこの記事に対して、

「抗議するとかそういう考えは今のところありません」

としている。

   「よむ地球 きる世界―日本はどうなる編」 (彩雲出版刊)などの著書がある元静岡県立大学教授で国際政治学者の大礒正美さんは、

「日本は甘い!」

と力説する。

武士や日本刀、剣道も朝鮮半島がルーツ?

   日本起源のものを韓国側が自国がルーツと主張し、庇を借りて母屋を取るようなことが繰り返されている、というのだ。これを「ウリジナル」と言うそうだ。世界中の様々な物、事の起源は全て朝鮮半島にあるいう「ウリナラ(我々の)」と「オリジナル」を足した造語だ。

   こうした主張は、(1)武士や日本刀、剣道も朝鮮半島がルーツ(2)日本の桜ソメイヨシノも韓国済州島から伝わった(3)「日本の多くの神社は韓半島の祖神を祭神としている」(中央日報電子版06年1月2日付け)など、数えればキリがない。また、日本以外の「ウリジナル」では、サッカーの起源は朝鮮半島、イギリス人の先祖は韓国人、などといったものもある。

「何でもかんでもこじつけてしまうわけです。特に日本を見下し、何を言ってもいい、という感覚がある。韓国国民が起源説を信じているというよりは、ワーワー言うのが楽しいという感じ。それにメディアが乗っかって話を大きくするわけです」

と大礒さんは説明する。

「ウソであっても、正しいという主張を繰り返せば、海外の人はウソを信じてしまうわけです」

   そのため、様々なものが韓国に「乗っ取られる」危険が出ているのだと言う。しょう油業界も何が正しいのかを直接、またはホームページなどを使って英語で世界に向けて主張しなければならない。大礒さんはそうアドバイスする。

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