――今回も、色々な男性アーティストの楽曲をカヴァーしてみて、新たに気付いたことなどはありましたか?

大山:自分では頭に浮かばない、歌ったこともないメロディや、自分では出せない世界観や言葉だったり、そういう意味ですごくやり甲斐がありましたね。男性の曲を歌わせてもらって、「こういう歌い方もあるんだ!」と感じられたし。自分では言ったこともない言葉を歌にすることで、また新しい扉を開いたような感じですね。そういう発見ができて、また更にやりたいことが出てきたので、次に生かせたらいいなと思いました。

――特に苦労した曲や、印象に残っている曲などはありますか?

大山:全曲、濃いですよね(笑)。名曲ばかりを歌わせて頂いて、「すごく良かったよ!」と直接声を頂くと、本当に嬉しいですね。「遠く遠く」や「ここにしか咲かない花」は、ふるさとを思い浮かべながら歌った曲で、私は島を離れるという経験をしたから分かることなんだろうけど、多分そんな経験をしていなかったら分からないな、その曲に入り込めなかったなと思いましたね。今は、その歌を歌うことで、「島を離れて良かったな」と初めて思えるようになりました。

――ホームシックになった時期も。

大山:ありましたね、毎日のように(笑)。でも、歌を歌っていると、島を想う淋しい気持ちも段々と薄れてきて。その内にホームシックにはならなくなりました。

――戸田さんが特に気に入っている曲はありますか?

戸田恵梨香(以降、戸田):どの曲もいいんですよ。それぞれの良さって違うので、「これが一番」というのは決められなくて。思い入れとか、その時の心情によって全然変わってくると思うので、「これだ!」というのはあまり言いたくないんですね。私が「百合香ちゃんはすごいな」と思うのは、そういう葛藤とか色々なことを乗り越えて、自分自身を受け入れている所です。

 私はまだ、自分自身の良さは…。私も自分の声を「いい」と言われることもあれば、「すごく顔と声のギャップがある」と言われたり。でも頑張って、そういうことを考えずにやっていると言うか、吹っ切れている所があるし、「これが私の声なんだ!」という変なプライドを出すようになったんですけど(笑)。自分のお芝居の良さというのも、イマイチ分かっていない所とかがあるんですね。でも、お芝居が楽しいからやっているし、人間としても役者としても色々と学べる所が面白かったりするんですけど。正直、私は結構、自分自身から逃げている所があるんですよ。だから、それを受け入れて、自分の良さをちゃんと理解して、自分が出来ることを出している百合香ちゃんが、このアルバムには思いっ切り出ていて。大山百合香という一人の人間の存在を表明しているなと思いますね。

大山:ありがとう。

戸田:うん。このアルバムって、大山百合香でしか出来ないアルバムだと思うので。そこが羨ましくもあり、「すごいな!」って尊敬しますね。

大山:嬉しいですね。

第1回「“伝える”というのは一緒」(2008年04月16日)
第2回「真っ直ぐ歌うこと、真っ直ぐ人に伝えること」(2008年04月23日)
第3回「離れないと、なかなか分からない」(2008年04月30日)

大山百合香「COVERS FOR LOVERS〜Yurika Sings J Love Songs〜」特集
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