【インタビュー】北口榛花の視線の先にある70メートル「届くんじゃないかなって思える距離」
陸上女子やり投げで24年パリ五輪金メダルの北口榛花(28=JAL)がインタビューに応じた。新たな環境で迎えた今季は、9月の世界アルティメット選手権で自身の日本記録を3年ぶりに更新する68メートル92で優勝。2位だった愛知・名古屋アジア大会で終えたシーズンを総括し、70メートルへの思いなどを語った。(坂本 寛人)
女王は転機を迎えた。7年間師事した前コーチとの契約を終了し、5月から男子世界記録保持者のヤン・ゼレズニー氏の下でフォーム改良に取り組んだ。金メダルを逃したアジア大会は「凄く悔しい結果」と受け止めたが、北口には確かな手応えがある。
「新しいことを始めて身に付くまでには、かなり時間がかかることだと思っている。その中で自己記録を更新できたことはプラスの要素で、その記録を投げた投てきもまだまだ改善すべきところがたくさんある状態だった。これからが凄く楽しみになる一年だった」
視線の先にあるのは70メートル。世界で6人しか到達していない大台までの距離は、どう感じているのか。
「条件がそろえば、自分だけではなくて気候、風、気温…全てのコンディションが整えば届くんじゃないかなって思える距離ではあって。技術的なところもまだ完璧じゃないので、そこをじっくり直していけば見えてくる」
連覇が懸かる28年ロス五輪は2年後に控える。中国の新星・厳子怡(ゲン・シイ、18)という強力なライバルも出現した。パリ五輪で出した65メートル80は、規格変更のあった00年シドニー五輪以降の金メダリストで最も低い記録。目指すべきものは高い。
「私が歴史上最低記録で優勝したというふうに言われて、それが凄く悔しくて。4年に1度の舞台で、また次は大きな記録を投げることが目標。記録が投げられたら勝負もできて、メダルもついてくると思う」
世界選手権北京大会が控える来季へ。勝負は冬から始まる。例年のように水泳、バドミントンなど他競技にも取り組み、力を蓄える。
「今季に入って、トレーニングしても体が大丈夫っていうことを知れて、やっと思い切ってトレーニングできるような状態になった。この冬は凄くつらいと思うけれど、しっかりやって次の春を迎えるのが楽しみです」

