阪神・梅野隆太郎捕手

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 球団史上初のリーグ連覇が見えてきた阪神。その中で、かつての正捕手だった梅野隆太郎捕手(35)の出場機会が激減している。岡田彰布前監督が指揮をとっていた時は坂本誠志郎捕手(32)との併用だったが、藤川球児監督が就任した昨年は52試合出場に減少。伏見寅威捕手(36)が日本ハムからトレードで加入した今季はさらに厳しい立場になった。ここまで出場は24試合のみで、優勝争いが佳境に入った9月は1試合も出場していない。藤川政権の中で存在価値が高いとは言えず、今オフに出場機会を求めて国内FA権を行使する可能性がある。

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現実的な選択肢は…

 プロ13年目で初の開幕2軍スタートとなった今季は、4月25日に1軍昇格。与えられたチャンスは多いと言えないが、結果を残してきた。

阪神・梅野隆太郎捕手

 今季初先発となった5月3日の巨人戦(甲子園)では先発の才木浩人をリードし、7回11奪三振無失点で完封勝利(雨天コールドゲーム)を演出。5月10日のDeNA戦(甲子園)でもマルチ安打と活躍し、先発の才木を再び7回10奪三振無失点で勝利に導くなど、守備でも好リードを見せた。同月24日の巨人戦(東京ドーム)では3年ぶりのアーチとなる先制ソロを放って勝利に貢献。だが、6月9日のソフトバンク戦(みずほPayPay)でスタメンマスクをかぶった際、先発・才木が5回までに3本のアーチを浴び、後続も含めて計10失点を喫すると、翌10日にファーム降格した。SNS上では「梅野だけの責任ではない。ちょっと厳しい判断なのでは」、「少ないチャンスで結果を出してきたのに扱いが厳しい」と同情の声が少なくなかった。

 約2週間後に1軍再昇格したが、8月以降は2試合の出場のみ。ブロッキング技術の高さに定評があり、落差の大きいフォークを武器にする才木の登板試合は先発マスクをかぶる機会が多かったが、シーズン途中から坂本が才木の相棒に起用されるようになったことで、ベンチを温める日々が続いている。

「梅野は4年契約の最終年が終わった昨年も国内FA権を行使するか注目され、残留を決断しましたが、置かれた状況はさらに厳しくなっている。坂本、伏見に次ぐ『第3の捕手』という位置づけですが、伏見も今季に国内FA権を取得したため、球団フロントはそちらの慰留の方が優先順位は高くなる。今秋のドラフトで阪神が1位指名の有力候補と見られる大学No.1捕手の渡部海(青山学院大)の獲得に成功すれば、梅野は1軍の座を保証されなくなる。まだまだ老け込む年齢ではないですし、パフォーマンスを見ると力が大きく落ちているわけではない。出場機会を望むなら退団して他球団にFA移籍が現実的な選択肢になってきます」(阪神を取材するスポーツ紙記者)

生え抜きで初の1000試合出場

 梅野は18年から3年連続ゴールデングラブ賞を受賞し、21年の東京五輪では侍ジャパンのメンバーに選出されて金メダルを獲得した。23年には72試合に出場し、38年ぶりの日本一に貢献。24年には阪神の生え抜きの捕手で初の1000試合出場を達成した。35歳とベテランの域に入ったが、他球団の評価は依然として高い。セ・リーグ球団の編成担当が語る。

「常時試合に出場するのは厳しいかもしれませんが、経験豊富な捕手なのでチームにプラスアルファをもたらすことは間違いない。フレーミング技術、リード面、ブロッキング技術とすべてが高水準で打撃もツボに入ればスタンドに運ぶ力がある。推定年俸1億2000万円のCランクなので、FAで獲得する球団は人的補償の必要がないこともメリットになります。年俸の大幅ダウンは避けられませんが、梅野にとって他球団でプレーすることは、今後の野球人生を考えた時に大きな糧になると思います」

獲得を検討する球団は…

 年俸の大幅ダウンの条件に合意して新天地にFA移籍したケースは過去にある。DeNAの相川亮二監督は現役時代の14年オフ、ヤクルトからFA宣言して巨人に移籍した。中村悠平のバックアップ要員という構想だったヤクルトの提示年俸の方が上だったが、阿部慎之助(巨人前監督)が一塁にコンバートされることに伴い、正捕手不在となった巨人で勝負することを決断。推定年俸1億1000万円から5000万円減の年俸6000万円プラス出来高払いで契約に合意した。

 かつて、NPB球団でバッテリーコーチを務めた球界OBは「捕手の層が薄い球団は多い。梅野が加入したら面白い球団として中日、広島が浮かびます」と提言する。

「中日は高橋宏斗、金丸夢斗と球界を代表する2人の投手がいますが、質の高い球を投げていてもなかなか勝ちきれない。梅野が加入すれば正捕手の石伊雄太と違った配球で能力を引き出せる可能性があります。広島も捕手が補強ポイントです。今年は持丸泰輝が主戦捕手を務めていますが、守備の面でまだまだ技術を磨く必要がある。新井貴浩監督、藤井彰人ヘッドコーチは現役時代に阪神で梅野とプレーしており、力を熟知しているはず。チームにプラスアルファをもたらせる存在です。また、長年在籍した阪神の選手たちの特徴を熟知していることも大きな強みになる。『打倒・阪神』の観点からも獲得を検討する価値が十分にあるでしょう」

 近年は正捕手を固定せず、投手との相性や相手打線との兼ね合いで複数の捕手を使い分ける球団が増えている。来季からセ・リーグも指名打者制が導入されて各球団の得点力が上がることが予想される中、捕手のリードの重要度がさらに高まることも加味する必要がある。梅野は今オフに野球人生の岐路で、どのような決断を下すか。

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デイリー新潮編集部