OpenAIが、2026年9月30日に開催された年次開発者会議「OpenAI DevDay 2026」の基調講演で、常時稼働型のAIアシスタント「Dots」を発表しました。DotsはGPT‑6 Astra を搭載し、専用のクラウドコンピューターで稼働するAIエージェントで、4000以上のアプリと連携しながらテキストメッセージやSlack、Teamsから指示を与えることができます。

dots のご紹介 | OpenAI

https://openai.com/ja-JP/index/introducing-dots/

Introducing dots, always-on agents built to handle everything. - YouTube

OpenAI DevDay 2026の基調講演は以下で視聴可能。サム・アルトマンCEOが冒頭部分でDotsの詳細を解説しています。

OpenAI DevDay 2026 Keynote (FULL) - YouTube

Dotsは、質問に答えたり指示された作業をその場で実行したりするだけではなく、ユーザーから任された仕事を継続的に進めることを想定したAIエージェントです。OpenAIのGPT-6 Astraを搭載し、各dotには専用のクラウドコンピューターとブラウザー、アクセス権限を管理するための専用IDが用意されます。必要に応じてコードを書いて実行したり、テストしたりすることもできます。

各dotはユーザーのPCとは分離された専用クラウド環境で動作し、ユーザーが明示的に接続しない限り、自分のPC内のデータにはアクセスできません。また、ウェブサービスにログインする場合でも、保存されたパスワードそのものをAIモデルに開示せずに利用できる仕組みが用意されているとのこと。

OpenAIはDotsについて、新入社員に仕事を任せる場合に近い環境を与えられると説明しています。ユーザーが一つ一つの操作を指示しなくても、dotは任されたプロジェクトを進めながら、別の作業にも並行して取り組むことができます。ユーザーはいつでもdotが使用しているクラウドコンピューターを開き、作業状況を確認できます。

また、DotsはOpenAIのプラグインを通じて4000以上のアプリと接続できます。ChatGPTだけでなく、SlackやMicrosoft Teams、テキストメッセージなどからもdotとやり取りでき、異なるサービスから指示しても、それまでの作業内容や会話の文脈を引き継ぎます。



Dotsは音声通話にも対応し、ユーザーが口頭で相談したり、作業の方向性を伝えたりすることも可能です。



さらにOpenAIはDotsと人間が共同で作業するためのワークスペース「ChatGPT Space」も発表しました。Spaceでは、ページやファイル、調査結果、グラフ、プロトタイプなどを1カ所にまとめ、ユーザーやチームメンバー、Dotsが同じ内容を見ながら作業できます。ページ内でdotを呼び出して作業を依頼したり、コメントから特定のdotにタスクを割り当てたりすることも可能です。



SpaceはDotsが実際にブラウザー操作やコード実行を行う専用クラウドコンピューターとは別のもので、人間とAIが成果物や作業状況を共有するための共同作業環境という位置付け。Space内のページには継続的な指示を設定することもでき、例えば「特定のSlackチャンネルを確認して、毎日ここに調査結果を更新する」といった作業をdotに任せられます。OpenAIは今後、Space内でプレゼンテーションを作成し、人間とDotsが共同で編集できる機能も提供する予定です。



DevDay 2026では、Dotsを使った具体的な働き方も披露されました。例えばSlackに投稿されたバグ報告をdotが検出すると、自動的に原因を調査して修正コードを書き、テストした上でプルリクエストを作成できます。OpenAIでは、エンジニアのdotsがこの方法で1日に数十件のバグを修正していると説明しています。



ユーザーが直接操作していない間も、dotは接続されたサービスを確認して必要な情報を探すことができます。OpenAIはこれを「プロアクティブリサーチ」と呼んでいます。ただし、この状態では利用できるツールが読み取り専用に制限され、メッセージを送信したり、アプリ内の内容を書き換えたり、ブラウザーやコンピューターを操作したりすることはできません。

実際に何らかの操作を行う際には、ユーザーがdotにどこまで権限を与えるかを設定できます。特定の操作を自動的に許可する、実行前に承認を求める、あるいは完全に禁止するといったルールを設定可能です。アカウントや外部への情報共有に影響する可能性がある操作については自動レビューが行われ、パスワード変更など特に慎重な作業はユーザー自身が行う必要があります。



OpenAIは企業向けに、個人用のdotとは別に「専門dot」も試験提供します。専門dotは企業内で特定の業務を担当するAIエージェントで、企業側が専用IDや認証情報、アクセス可能なシステムを設定します。OpenAIではすでに調達、請求書処理、メールマーケティング、カスタマーサポート、契約関連業務などで専門dotをテストしています。



さらにMicrosoftと協力し、専門dotをMicrosoft Agent 365の企業向けガバナンス機能やセキュリティ管理機能と統合する計画も進めています。これにより企業は、既存のMicrosoft環境からdotの権限や利用状況を管理できるようになる予定です。



Dotsは対象地域のChatGPT ProおよびBusiness Premiumユーザー向けに順次提供されます。Enterpriseでは、ワークスペース管理者が有効化することでベータ版を利用できます。最初の1つのdotはProまたはBusiness Premiumプランに含まれており、dotとの通常の会話はChatGPTの利用上限にはカウントされません。



ただし、dotにCodexやChatGPT Workを使った作業を開始・管理させた場合、その処理は通常の利用上限に含まれます。最初のdotはChatGPTのデスクトップアプリまたはPCのブラウザーから作成し、初期設定後はモバイルアプリからも利用可能。Proユーザー向けには、iMessageとRCSを使ってdotとやり取りできる機能について限定ウェイトリストが用意されています。

海外ニュースサイトのThe Vergeは、Dotsが発表されるわずか数週間前にMetaがAIアシスタントのMuseを発表したことを取り上げ、OpenAIのDotsはMeta Museと競合するものであると指摘しています。

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