『壽 初春歌舞伎特別公演』新歌舞伎座へ“お引っ越し、ワクワク感” 道頓堀・松竹座に別れを…
大阪文化芸術事業実行委員会大(大阪府・市、大阪商工会議所などで構成)が主催する大阪国際文化芸術プロジェクト『壽 初春歌舞伎特別公演』が2027年1月9日~24日の15日間、新歌舞伎座(大阪・上本町)で開催される

プロジェクトのメインは歌舞伎公演。2024年に始まり4回目となるが、これまで上演されてきた大阪松竹座が建物の老朽化などから今年(2026年)5月に閉館したため、初めて道頓堀を離れる。


歌舞伎俳優の中村鴈治郎、片岡孝太郎、片岡愛之助、市川中車、中村壱太郎の各氏と松竹が9月28日、大阪市内で開かれた会見で明らかにした。
吉村洋文・大阪府知事は「新歌舞伎座に場所は変わるが、道頓堀の芝居小屋の歴史を守り、上方文化の発信拠点を絶やすことなく、上方の歌舞伎の魅力をこれからも伝えたい」と意義を強調した。
大阪・関西万博で披露された日本の伝統芸能はもちろん、さまざまな音楽公演やパフォーマンスを通して、ライブの魅力を確信したと話す吉村知事は、「多くの皆さんが“リアル”を求めていらっしゃった。これは人間が求める本質的な欲求だ。その場の空気を共有することで、楽しみ、勇気づけられ、希望を持つ。エンターテイメントはなくならない」と話した。


特別公演は昼夜2部制。
▼昼の部(11時開演)は「小栗栖の長兵衛」(おぐるすのちょうべえ)」「弁天娘女男白浪(べんてんむすめ・めおのしらなみ)」「廓文章(くるわぶんしょう) 吉田屋」

▼夜の部(16時30分開演)は「寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)」「義経千本桜 渡海屋・大物浦」(よしつねせんぼんざくら) 「鷺娘(さぎむすめ)」の演目がそれぞれ披露される。

俳優陣は昨年まで羽織袴姿で会見に臨んでいたが、今年は全員スーツ姿。蝶ネクタイをした中村鴈治郎さんは、「正月に大阪で歌舞伎が打てる(上演できる)ことを大変うれしく思う。打てる場所がある限り、歌舞伎はなくならない。松竹座はなくなったが、花道があって、歌舞伎を打てる劇場が大阪にはまだ残っている。新歌舞伎座の舞台に立つことについては、大変ワクワクしている。新たな引っ越し先に移るあの心境。ワクワクドキドキ、どんなことが起こるんだろう」と心境を語った。

鴈治郎さんの長男・壱太郎さんは鷺娘を演じる。「あの大ヒット映画『国宝』のラストシーンを飾ったのが鷺娘。私も『道成寺』『曽根崎心中』を演じてきて、もう投げる球はございません。最後の一球をどこで投げるか、それは来年の1月に」と話した。
そして、「父(鴈治郎さん)は引っ越しするワクワクした気持ちがあると話したが、私は緊張、責任感を感じている。新歌舞伎座へ引っ越してうまくいかなければ来年続けることができない。“強制退去”を命じられないように、これからも続く公演となるよう全身全霊で勤めてまいりたい」と力を込めた。

片岡愛之助さんは「新歌舞伎座というと、妻(藤原紀香さん)の芝居しか観に行ったことがなく、自分も出たいと思っていて、先方からも、『出てください』とお願いされていた。『喜んで』と言っていた約束がやっと果たせて非常にうれしい。私もワクワクしている。海外の方々から反響が大きい歌舞伎。英語版のイヤホンガイドを用意してもらえたら」と話した。


会見に同席した横山英幸・大阪市長は、「いま大阪府・市の成長戦略として『Beyond EXPO 2025』を展開して、万博を乗り越えて都市としての格を上げようとしている。愛之助さんからのアドバイス通り、ガイドがあるとないとで没入感が違う。特に海外の方々に上方文化への理解をより深めてもらうために、大変素晴らしいヒントをいただいた」と“導入”を即決した。

「壽 初春歌舞伎特別公演」
■チケットは、特等席が1万8000円、一等席は1万6000円、二等席が1万円、三等席が5000円で、一般発売は11月30日・10時から(電話・WEB受付)。
■公演期間・2027年1月9日(土)~24日(日)
※1月15日(金)休演日
