【凱旋門賞】石橋師「本当に夢のよう」 先代・松本好雄オーナーの思い受け継ぎメイショウタバルと大一番へ【一問一答】
「凱旋門賞・仏G1」(10月4日、パリロンシャン)
欧州伝統の一戦に初挑戦するメイショウタバル(牡5歳、栗東・石橋)。宝塚記念連覇を果たした愛馬とともに海を渡る石橋守調教師(59)=栗東=は、決戦を目前に控えた今、何を思うのか-。“盟友”武豊騎手(57)=栗東・フリー=とタッグを組み、亡き先代オーナー・松本好雄さんの思いとともに臨む大一番に向けて胸の内を語った。
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-宝塚記念を連覇。最高の形で凱旋門賞に向かえる。
「大阪杯もかなりいい出来だったけど、宝塚記念はさらに状態が上がっていた。僕はあまり大きなことを言う性格じゃないけど、すごく自信があった。もちろん雨に関してはマイナスにならない。だけど、良馬場でもすごくいいレースができたと思っている」
-成長を感じる部分は。
「返し馬が全然違うね。去年は返し馬で掛かったりしていた。調教でもそうで、普通キャンターでも『難しそうにしているな』というところがあったけど、最近はその度合いが減っている。そこは明らかに違う。成長だと思っている」
-凱旋門賞をプランとして考え始めたのは。
「去年の宝塚記念を勝った時に、亡くなった松本(好雄)オーナーが『年内は国内で走らせよう。来年は登録していいぞ』とおっしゃった。松本オーナーはメイショウサムソンで一度、凱旋門賞を経験されている。また、もう一度行きたいという思いがあったんじゃないかな。その後、息子さんである松本好隆オーナーが、その思いを引き継いで『行こう』と言ってくださった。本当に感謝しています。そのためにも、まず国内のレースをしっかり走らせて、いい結果を出していきたいという気持ちは僕にはずっとあった」
-パリロンシャンのコース、馬場適性については。
「厳しいコースだと思う。向正面に10メートルほどの高低差もあるし、ひと雨降ればかなり重たい馬場になる。タフの上にタフが付くぐらい。日本の馬にとっては慣れない条件だね。みんな『日本で重馬場を勝っているから』と言うけど、馬場の質が違う。日本では上手だけど、果たしてどうなのか。安心はできない」
-馬場への対策は。
「もう少し体をシャープにした方がいいと思っている。あくまで僕の考えだけど、過去に凱旋門賞で好走した日本馬を見ると、そこまで体の立派な馬はいない。ヨーロッパの走る馬を見ても、割とシュッとしている。だから、ああいうシャープさも必要なのかなと。有馬記念の時は、僕自身は『ちょっと太めが残っていたんじゃないか』と思った。重たいというより、体のつくりを立派にし過ぎた。そして大阪杯の時は体をシャープにした。結果が出たから言うわけじゃないけど、それは一理あると思う。だからフランスへ行く前にも、担当者には『そんなに立派に体を作らなくていい』と伝えている」
-武豊騎手と挑む。
「もう若い頃から知っているし、お父さんも兄弟も知っている。特別に構えず、自然体でユタカと一緒に挑みたい。調教師になった当時は、ユタカを乗せて凱旋門賞へ行けるなんて思っていなかったからね。『いつか凱旋門賞へ行く馬を作るわ』なんて冗談でも言えない。もちろん松本オーナーがおられてのことで、牧場の三嶋さんとも昔から付き合いがある。色々な縁があって、今でも信じられないというか、本当に夢のようだなと思います」
-日本馬がはね返されてきた宿願。
「まず海外へ挑戦するのは、それは結果うんぬんより、すごいことだと思って見てきました。マスコミの人は大きなことを言わせようとするけど(笑)、まずは挑めること。そしてその前に、いい状態で出したい…それだけなんですよ。『凱旋門賞の歴史の1ページを変えたい』とか、そんな大それたことは言えない。だからこそ、まずはいい状態で出す。そこしかないと思っています。自分たちがここまでやってきたことを全部出せる状態で送り出せれば、結果がどうであっても納得できる。そこだけです」
◇石橋 守(いしばし・まもる) 1966年10月23日生まれ、滋賀県出身。85年に騎手デビューし、JRA通算473勝、うち重賞15勝。06年にはメイショウサムソンとのコンビで皐月賞、ダービーの牡馬クラシック2冠を達成し、翌07年には天皇賞・春を制した。13年に騎手を引退し、14年3月に厩舎を開業。24年毎日杯をメイショウタバルで制して調教師としてJRA重賞初勝利を挙げると、25年宝塚記念でG1初制覇。今年も同馬で宝塚記念を連覇した。騎手、調教師の双方で「メイショウ」と深い縁を結んできた。
