スポニチ

写真拡大

 ◇米女子ゴルフツアーアーカンソー選手権最終日(2026年9月27日 米アーカンソー州 ピナクルCC(6438ヤード、パー71))

 西村優菜(26=スターツ)が本格参戦4年目で米ツアー初勝利を挙げた。5打差のトップで出て1イーグル、5バーディー、2ボギーの66で回り、大会記録に並ぶ通算21アンダーに伸ばし、初日から単独首位を譲らない完全優勝で悲願を達成。この大会では12年に宮里藍、18、21年に畑岡奈紗が勝っており日本勢3人目の制覇となった。岩井明愛(24=Honda)が2位に入った。

 4年目でついに歓喜の瞬間を迎えた。1メートルのウイニングパットを沈めた西村は右拳を握りしめ、祝福のウオーターシャワーを浴びると「やっと勝てた。諦めずにやって良かった」と涙を拭った。

 1打目を右に曲げた1番はパーでしのいだが、4、6番でボギー。猛追する岩井明に並ばれ、5打もあったリードが序盤で消えた。それでも「並ばれたくらいの方が気持ちが楽。しっかり攻めようと思った」と切り替え、8番でバーディーを奪い踏ん張ると、11番ではバンカーから放り込み単独トップに再浮上。14番パー5では2オンに成功し、3メートルのイーグルパットも決めて後続を突き放した。

 昨季は出場権を確保できず。予選会を経て臨んだ今季も個人戦ではトップ10入りがなく「モチベーションはゼロになった」と躍進する日本勢の中で苦しみ「ここ2年は強みだったショットで悩んで、もう無理かもって何回も思った」という。そんな中、前週国内ツアーで大声援を受け「3、4年駄目なのに、こんなに応援してくれる。エネルギーになった」と気力を取り戻した。

 通算21アンダーは18年に畑岡がマークした大会最少スコアに並んだ。1メートル50の小さな体で記録に残る初勝利を手にしたミレニアム世代の精鋭は「夢が一つかなった。最終目標はメジャー優勝」と宣言した。

 ≪憧れ「藍さんが勝っている大会だからこそ」≫アーカンソー選手権は、元世界ランク1位の宮里藍さんが現役最後の勝利を挙げた試合としても知られる。

 西村にとっては憧れの人。8歳の時、サントリー・レディースを生観戦し「こういう選手になりたい」とプロゴルファーを志した。その時、手渡されたボールは今でも宝物。「ずっと目標にしてきた選手。藍さんが勝っている大会だからこそ勝ちたかった。凄くうれしい」と白い歯を見せた。

 不振でどん底だった昨夏、宮里さん、同じく米ツアー経験のある諸見里しのぶさんと3人で会い、相談に乗ってもらった。米ツアー通算9勝の宮里さんも渡米から3年は勝てなかった。経験談の全てが金言になった。

 西村は「勝てなかった3シーズン、どういう気持ちでやっていたかを聞いた。メンタルには目を向けていなかったけど、藍さんに話を聞いて一つ一つに集中することをやり始めた。それも全部つながっている」と感慨深げにうなずき、「藍さんに早く報告したい」と声を弾ませた。

 ≪日本勢通算20人目≫西村の勝利で、日本勢の米女子ツアー優勝者は通算20人となった。樋口久子が76年に初制覇を遂げ、10人目は42年後、18年の畑岡だった。そこから8年で、新たに10人が次々と歓喜を味わった。日本勢は昨年、6人が7勝。今年は3人で4勝で、桑木が8月のAIG全英女子オープンで初優勝。山下が6月のメイヤー・クラシック、8月のCPKC女子オープンを制し、昨年に続き2勝している。

 ◇西村 優菜(にしむら・ゆな)2000年(平12)8月4日生まれ、堺市出身の26歳。大商大高出。5歳の時に父親の影響でゴルフを始める。19年プロテスト合格。20年樋口久子・三菱電機レディースで初優勝。国内ツアー6勝(メジャー1勝)。23年米ツアー本格参戦。目標は宮里藍さんと海外メジャー3勝の田仁智(韓国)。趣味は音楽鑑賞、スポーツ観戦。祖父の影響で阪神ファン。師匠は中島敏雄コーチ。1メートル50、47キロ。血液型O。