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7スロットグリルに四角いフォルム

小さなボディでFFベースのジープと聞いて、兼ねてからのブランドファンは懐疑的に捉えるかもしれない。しかし、アベンジャーは欧州で大ヒット。タフな見た目にフレンドリーな走りで、新しい顧客を獲得するに至った。

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1940年代のオリジナル、ウイリスMB「ジープ」を除き、同社の歴代で最もコンパクト。それでいて、7スロットグリルや短いオーバーハング、四角いフォルムなどで、しっかりジープらしさが演出されている。


ジープ・アベンジャー・フルエレクトリック(欧州仕様)

そもそもアベンジャーには、ジープ・ブランドを再定義し販売を活性化するという、重要な使命があった。そこで、ステランティス・グループの技術を積極的に活用。計28万台が、これまでに納車されている。その内、バッテリーEV版が6割を占めるという。

この上り調子を維持するべく、2026年仕様としてアベンジャーはアップデート。ライバルは、ルノー4 E-テックやヒョンデ・インスターなど、コスパ優等生の他、同グループのプジョー E-2008やフィアット600eなども含まれる。競争は激しい。

ブランド85周年を祝う85thアニバーサリーも

今回の小変更での、見た目の変化はかなり小さい。前後のバンパーが僅かに手直しされ、新デザインのホイールが選べるようになった程度。フロントグリル上部にイルミネーションが追加されたことへ、喜ぶ人もいらっしゃるだろう。

LEDマトリックス・ヘッドライトは、新たにオプション設定。運転支援システム用のレーダーやカメラはフロントグリル裏へ移動し、オフロード走行時や衝突時に、機器へ及ぶ被害が軽減されている。


ジープ・アベンジャー・フルエレクトリック(欧州仕様)

ジープ・ブランドの誕生85周年を祝う、85thアニバーサリーも設定された。ゴールドの差し色や専用エンブレムで、特別仕様だと主張。シートは、ピクニック用ブランケットに着想を得たという、タータンチェック柄のクロスで仕立てられる。

この特別仕様の場合、ホイールは18インチが標準。タイヤは、幅215を履く。

小変更でのメカニズム更新は基本的になし

プラットフォームは、シトロエン E-C4やプジョー E-2008などと同じ、モジュラー式のe-CMP2。だが前がマクファーソン・ストラット、後ろがトーションビームのサスペンションはストロークが伸ばされ、悪路への対応力を高めている。

小変更によるメカニズムの更新は、基本的になし。フロントへ載る駆動用モーターは、ステランティスとニデックとの合弁企業、イーモーターズ社が開発した、エネルギー効率に優れるユニット。最高出力は156ps、最大トルクは26.4kg-mが主張される。


ジープ・アベンジャー・フルエレクトリック(欧州仕様)

駆動用バッテリーは50.8kWhで、車重は1601kg。EVとしては重すぎるわけではないが、1.2Lエンジン版のアベンジャーは1182kgだから、軽くはない。ちなみに、欧州仕様の生産工場はポーランドだ。

頼もしい雰囲気の内装は質感が上昇

キャビンには、頼もしい雰囲気が漂う。フロントガラス越しに見えるボンネットはフラットで、ノーズの位置を把握しやすい。ステアリングホイールは適度に小径で回しやすく、使い勝手重視の物理スイッチが、ボディ同色トリムが飾るダッシュボードに並ぶ。

座面の位置は高めで、シートの調整域は広く、前方視界は広々。ランバーサポートは、もう少しコシが欲しいが。センターコンソールには大きめのボックスが備わり、ドアポケットも使えるサイズ。助手席側の正面には、小物用トレイも用意されている。


ジープ・アベンジャー・フルエレクトリック(欧州仕様)

小改良で、ダッシュボードやドアパネルへステッチ入りのソフトパッドが与えられ、質感は僅かに上昇。明るい差し色も、効果的といえる。とはいえ、硬いままのプラスティックが占める面積は狭くなく、省コスト感は残ってもいる。

後席側の空間は、同クラスでは狭い側だろう。荷室容量は282Lで、平均的なもの。いずれも、より広いライバルは存在する。USBポートは前席に2口、後席に1口ある。

ナビは充電を意識したルート設定も可能

タッチモニターは10.25インチで、表示が鮮明で見やすく、カスタマイズの幅が広い。ステアリングホイール上のボタンで、カーナビや電費、メディアなど、表示を簡単に切り替えられる。モニターの位置は高めだが、視界を遮ることもない。

エアコンの操作も集約されたシステム自体は、小さなハッチバックのフィアット500から、スーパーカーのマセラティMC20まで、ステランティス・グループ内で広く利用されるもの。アップル・カープレイとアンドロイド・オートは、滑らかに機能していた。


ジープ・アベンジャー・フルエレクトリック(欧州仕様)

2026年の英国仕様では、車載ナビが標準装備に。駆動用バッテリーの残量を踏まえ、充電ステーションへの立ち寄りを意識した、ルートを設定してくれる。

運転支援システムの操作もタッチモニター上だが、画面下部にショートカットがあり便利。設定変更も難しくない。6スピーカー・オーディオの音質は、価格相応だろう。

走りの印象とスペックは、ジープ・アベンジャー・フルエレクトリック(2)にて。