経団連が策定する「筒井ビジョン」 高市政権へ擦り寄ったら「アウト」?
【政官財スキャニング】#136
消費税減税打ち切り時の現金支給案に経済界が不満「結局は時間とコストのムダ」
財界通(以下=財) 経団連の筒井義信会長が、就任2年目の半ばを迎えて「2050年の日本の経済社会の姿」を描くビジョンを策定するらしい。
政界通(同=政) どういう視点から描くのだ?
官界通(同=官) 当然、日本にとってすべての面で重たい、人口減少がもたらすマイナス面を克服する処方箋になるのだろう。
財 そうだ。少子化対策に始まり、衰退がみえる地域経済の再建、国民が不安を感じている社会保障制度の見直しなど、人口減で社会の担い手が減っていくなか、日本の経済社会をどうしていくべきか、根本的な議論を進めるようだ。
政 そうか、国会や政府よりも意欲的な感じだ。
官 経団連は、企業のための政策の実現にばかり力を注ぐのでなく、「パブリックの利益」を目指すことも求められる役割だ。
財 もちろんだ。30年前、豊田章一郎会長(トヨタ自動車)が「魅力ある日本-創造への責任-」と題したビジョンを打ち出し、21世紀への展望を描いた。以来、いくつか本格的なビジョンを示してきた。
官 奥田碩会長(同)の「活力と魅力溢れる日本をめざして」、御手洗冨士夫会長(キヤノン)の「希望の国、日本」、十倉雅和会長(住友化学)の「成長と分配の好循環~公正・公平で持続可能な社会を目指して」など、明るさをもたらす針路が印象に残るね。
政 みんな、ときの政権が短期的に実現を目指すようなものと違い、長期的な視点で論じていたね。
財 そう。もし、「筒井ビジョン」にいまの高市早苗政権に擦り寄ったようなところがあったら、経済界に総スカンを食らって「アウト」になる。
官 でも、筒井さんは政治的な偏りはないし、「語呂合わせ」などで周囲を笑わせるところはあるけど、基本的に正統派。大丈夫ではないか。
財 ビジョンの策定は、経団連の設立80周年記念の行事がある10月19日に公表されるようだ。そのときに筒井会長がどれだけ本気度を示すか、副会長ら経団連幹部も注目しているようだ。
(構成=竜孝裕/ジャーナリスト)
