「クレアチニン」が高い人の落とし穴!“アボカド”は食べてはいけない?【医師監修】

アボカドにはカリウムや脂質が豊富に含まれており、腎機能が低下している方は摂取量の管理が大切になります。カリウムは通常の腎機能であれば尿として排出されますが、腎機能が低下すると高カリウム血症を引き起こすリスクがあります。食べ方や量の調整について、具体的な注意点を解説します。

監修医師:
浅川 貴介(医師)

【経歴】
2004年私立海城高等学校卒業
2010年私立東邦大学医学部卒業医師免許取得
2012年公益財団法人日産厚生会玉川病院
2016年東邦大学医療センター大橋病院腎臓内科
2018年医療法人社団七福会ホリィマームクリニック
2022年浅川クリニック
【免許・資格】
・医学博士
・日本内科学会総合内科専門医
・日本腎臓学会腎臓専門医
・日本透析医学会透析専門医
・労働衛生コンサルタント(保健衛生)
・東京都福祉局認定難病指定医

クレアチニンが気になる方がアボカドを食べる際の注意点

このセクションでは、クレアチニン値が気になる方や腎機能に不安を抱える方が、アボカドを食べる際に知っておくべき注意点を具体的に説明します。カリウムや脂質の摂取量を適切に管理しながら、アボカドと上手に付き合うための知識を身につけましょう。

腎機能が低下している方のカリウム摂取リスク

腎機能が低下している方にとって、食事中のカリウム管理は健康を保つうえで欠かせない要素の一つです。通常、成人が1日に摂取するカリウムの量は、健康な方であれば特に制限は設けられていませんが、慢性腎臓病の方には医師や管理栄養士から摂取量の目安が提示されることがあります。

一般的なアボカド中玉1個(可食部約100~120g)には約720~860mgのカリウムが含まれ、大玉(可食部約150g以上)になると1,000mgを超えます。慢性腎臓病の患者さんに設定されるカリウムの目安量は、病期や身体の状態によって異なりますが、1日1,500~2,000mg程度に制限される場合もあります。そのため、アボカドを1個丸ごと食べると、その日のカリウム摂取量の大部分を占めてしまうことになります。

このような背景から、クレアチニン値が基準値を超えている方や、腎臓内科の医師から食事指導を受けている方は、アボカドを食べる前に必ず医師や管理栄養士に確認することが大切です。食べてはいけないということではなく、量や頻度を適切にコントロールすることで、アボカドの栄養を活かせる可能性があります。

また、カリウムは茹でることで一部が湯に溶け出し、摂取量を減らすことができます。ただし、アボカドは加熱調理に向いていない食品でもあるため、生食が基本となります。そのため、腎機能が低下している方には、量の調整が現実的な対処法になります。

アボカドの脂質と腎臓への関係を考える

アボカドには、脂質が豊富に含まれています。100g当たりの脂質量はおよそ17~20gとされており、果物のなかでは突出して高い値です。この脂質の大部分は、オレイン酸に代表される一価不飽和脂肪酸であり、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を下げる働きがあるとされています。

腎機能が低下している方は、動脈硬化や心血管疾患のリスクが高まりやすい傾向があります。そのため、悪玉コレステロールを下げる可能性のある不飽和脂肪酸は、腎機能が低下している方にとっても有用な成分と考えられています。ただし、脂質の過剰摂取はカロリー過多につながり、肥満や代謝異常を招くリスクもあるため、食べる量には配慮が必要です。

腎機能が低下している方の食事では、タンパク質の制限が行われることがあります。アボカドのタンパク質量は100g当たり約2g程度と決して多くはありませんが、他の食品と合わせて1日のタンパク質摂取量を管理するうえで、アボカドを食べる場合はその分を考慮した食事設計を行うことが望まれます。食事療法の詳細については、主治医や管理栄養士と相談しながら個別に対応することが大切です。

まとめ

アボカドのクレアチニンへの影響、適正量、そして期待される効果について理解を深めていただいた方は、ぜひ日頃の食生活を見直すきっかけにしてみてください。定期的な健康診断で腎機能や血中脂質の数値を確認しながら、自分に合った食べ方を続けることが、長期的な健康管理につながります。疑問や不安がある方は、ぜひかかりつけ医や管理栄養士への相談を検討してみてください。

参考文献

文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

日本腎臓学会「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版」

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品の素材情報データベース」