「リコピン」を摂取すると”コレステロール”はどうなる?効果を管理栄養士が解説!

リコピンには抗酸化作用や血中脂質・血糖値・肌の健康との関連が研究されており、さまざまな働きが期待されています。

※この記事はメディカルドックにて『「リコピン」がトマトより多い”2つの食品”はご存じですか?注意点も管理栄養士が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修管理栄養士:
中岡 紀恵(管理栄養士)

短大卒業後、20年以上経って栄養士の職に就く。給食受託会社に勤務しながら管理栄養士の資格を取得。栄養指導に携わりたいという思いから、病院に転職。現在は慢性期病院で栄養指導、入院患者様の栄養管理、給食管理等を担当。生涯現役で、栄養相談を通じてたくさんの人を健康に導くのが夢であり、目標でもある。

「リコピン」とは?

リコピンはカロテノイドの一種で赤色の天然色素です。トマトやスイカ、グァバなど赤色の野菜や果物に含まれています。これらの食品では、熟すほどリコピンの量が増えることが知られています。リコピンはβ-カロテンのように体内でビタミンAに変化しないことから栄養学的な研究が限られていましたが、近年ではカロテノイド、中でもリコピンの強い抗酸化作用に注目が集まり、健康維持との関係について多くの研究報告が行われています。

リコピンの一日の摂取量

リコピンの一日の摂取量に明確な基準は定められていませんが、研究や商品文献などで10~15mg/日程度を目安に摂取することで日々の健康づくりに役立つと考えられています。これはLサイズトマト2個分、またはトマトジュース150mlに相当します。

リコピンに期待される働き

抗酸化作用

私たちの体は酸素を利用してエネルギーを作り出しており、活性酸素はヒトが酸素を利用して生きて行く上で必ず生成されます。通常、活性酸素は体内に侵入した細菌などの異物を攻撃するなどの大切な役割を担っています。しかし過剰に生成された活性酸素は、その強い酸化力により正常な細胞を破壊し、体のさまざまな組織にダメージを与えると考えられています。リコピンはこうした活性酸素に対して働く可能性がある成分として研究されており、抗酸化作用に関する報告もみられます。

血中脂質との関連

コレステロールは、人間の体に存在する脂質のひとつで、細胞膜・ホルモン・胆汁酸を作る材料となっています。生活習慣病の因子として取り上げられているのは、たんぱく質などと結合しリポたんぱく質として血液中に溶け込んでいるコレステロールです。リポたんぱく質には、肝臓のコレステロールを体全体に運ぶ役割をもつLDLと、体内の血管壁に溜まったコレステロールを肝臓に運ぶ役割をもつHDLがあります。これらのバランスが乱れた状態が続くと、健康リスクが高まる可能性があります。研究ではリコピンの摂取と血中脂質に関する指標との関連が検討されており、食生活の中でリコピンを含む食品を取り入れることが一つの選択肢として紹介されています。

肌の健康維持

リコピンには紫外線などの外的要因によるダメージから肌を守る働きが期待され、美容を意識する方からも関心を集めています。肌の健康維持をサポートする栄養素として研究が進められています。

血糖値との関連

リコピンのもつ抗酸化作用に着目し、血糖値や関連指標との関係を検討した研究があります。特定の集団を対象とした研究では、一定期間の摂取後に指標の変化がみられた例が報告されています。ただし、食品としてのリコピンが特定の症状に対し効果を示すものではありません。

「リコピンが多い食品」についてよくある質問

ここまでリコピンなどを紹介しました。ここでは「リコピンが多い食品」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。

リコピンが多い食品は何でしょうか?

中岡 紀恵(管理栄養士)

トマト・トマト加工品、スイカ、ピンクグレープフルーツ、グァバなどが代表的です。生のトマトよりも加工品の方がリコピンを多く含み、吸収しやすいことが知られています。
トマトのほか、すいか、金時人参、ピンクグレープフルーツ、グァバ、柿など赤色の果物・野菜に含まれています。いちご、りんご、さくらんぼなども赤色の果物ですが、主な色素はリコピンではなく、アントシアニンなどのポリフェノール類です。リコピンを効率よく摂取したい場合は、トマトやトマト加工品、スイカ、ピンクグレープフルーツ、グァバなどを選ぶとよいでしょう。リコピンは生のトマトよりも加工品のほうが多く含まれており、さらに吸収しやすいことが知られています。また、完熟トマトのほうがリコピン含有量が多い傾向にあります。

生のトマトとトマトジュースではどちらがリコピンを効率的に摂取できますか?

中岡 紀恵(管理栄養士)

トマトジュースの方がリコピンを効率的に摂取できると考えられています。1日200ml程度を目安に摂取するとよいとされています。
生のトマトとトマトジュースでは、トマトジュースの方がリコピンを効率的に摂取できると考えられています。トマトを加熱・加工することで細胞が破壊され、リコピンが体内で吸収しやすい形になるためです。なおリコピンの働きを十分に得るためには、1日200ml程度のトマトジュース(リコピン含有量15~20mg相当)を目安に摂取するとよいとされています。

編集部まとめ

リコピンは日々の食生活の中で取り入れやすく、健康維持に役立つ可能性があるとして研究が進められています。一度に大量に摂取するよりも、普段の食事の中で適量を継続的に取り入れることがポイントです。トマトをはじめ、さまざまな野菜や果物に含まれているため、毎日の食事に無理なく取り入れてみましょう。特定の食品に偏らず、バランスよい食事を心がけることも健康づくりには大切です。

「リコピン」と関連する病気

「リコピン」と関連する病気は1個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

皮膚科の病気

柑皮症

「リコピン」と関連する症状

「リコピン」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

肌が黄色くなる

紫外線による肌の赤み

色素沈着

シミ

参考文献

生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット)|健康日本21アクション支援システム Webサイト

生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット)|厚生労働省

トマトまるごと まるわかり!|農林水産省

Top 10 Foods Highest in Lycopene