2024年末には経済的な苦境を訴え、SNSで「助けてください」と支援を求めた。そして同年の大みそかにはSNSの投稿をすべて削除すると宣言。

「普通の人と同じく、静かにゆっくり暮らしていきたい」

 そうつづり、人間関係も一度リセットしたいとした。

 芸能活動をやめてすでに長い。今度こそ「坂口杏里」という名前で見られる生活からも離れ、普通の生活を送りたい--。そんな願いにも見えた。

 ところが2026年3月、坂口は思わぬ形で再び大きな注目を浴びることになる。

 3月17日、東京都八王子市のコンビニで約300円のサンドイッチ1個を万引きした疑いで現行犯逮捕されたのだ。この件はその後、不起訴となっている。

 逮捕が報じられると、「坂口杏里」の名前が一斉にネットニュースの見出しに並んだ。

 ここで奇妙なのが、その扱われ方だ。

◆世間が「普通の人」に戻してくれない

 坂口はとっくにタレント活動をやめている一般人である。本来なら「坂口杏里さん」と呼ばれてもおかしくない。ところが逮捕を伝えるニュースでは「坂口杏里」と呼び捨ての見出しも目立ち、さらに「元タレント・坂口杏里」という肩書きまで添えられる。記事だけを眺めていると、いまも芸能人であるかのようにさえ映る。

 もちろん、一般人がどんな仕事を選び、どこで暮らし、誰と付き合おうが、それだけで何かそしりを受けるいわれはない。

 それでも一度有名になった人間は、自分から表舞台を降りても、世間の側がなかなか「普通の人」に戻してくれない。

 アイドルに憧れて自ら入った芸能界。しかし、そこを離れて何年たっても「元タレント・坂口杏里」という肩書きはついて回る。普通に暮らしたいと願った坂口が、思わぬ出来事によって再び「有名人」として扱われる。そのジレンマは、現在の坂口を考えるうえで無視できないだろう。

 しかも、この逮捕を境に坂口への関心は、それまでとは比べものにならないほど高まっていく。

 その後、不起訴となった坂口だが、世間の視線が離れることはなかった。むしろ釈放後の暮らしぶりや人間関係まで、「坂口杏里の現在」として次々と取り上げられるようになった。

 そして、その視線の先に現れたのが、現在の交際相手である男性配信者・ぱるぱるだった。

◆不思議な場所にいる坂口杏里

 2人の交際が始まると、出会いから同居、ケンカ、仲直りまでがライブ配信を通じて伝わっていく。8月28日には配信中の口論から警察沙汰に発展し、坂口は連行されて10日間勾留された。