8月は月間MVP(阪神タイガースの公式Instagramより)

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サトテルの去就は?

 阪神タイガースの優勝の行方も気になるが、佐藤輝明(27)の今オフメジャーリーグ挑戦はどうなるのか……。

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 チームは9月に入って2勝8敗2中止(16日時点)。8月末の巨人3連戦で3連勝し、9月3日時点で2位巨人とのゲーム差は「5.0」もあったが、16日には「0.5」まで縮まった。

「15日の中日戦を落として、連敗は今季ワーストの『7』となりました。12日の巨人戦から3戦続けて完封負けを喫し、無得点のイニングが長く続きました」(在阪記者)

 この3戦中の佐藤だが、計11打数2安打2四球。巨人、中日とも佐藤の前の3番を打つ森下翔太(26)を含め、対策を講じたようだが、「ホームランさえ打たれなければ」という消極的な声も聞かれた。佐藤といえば、今オフの米球界挑戦でも注目されている。対戦チームの側からすれば「早くメジャーに行ってくれ」の心境だろうが、そう簡単にはいかないようだ。

8月は月間MVP(阪神タイガースの公式Instagramより)

「今オフのメジャーリーグでは新・労使協定の話し合いがあり、チーム総年俸に上限額を決めようとするオーナー側に対し、選手会側は徹底抗戦する構えです。話し合いが長期化し、期限内に決着がつかなければ球団業務が止まるロックアウトはもちろんのこと、選手会側のストライキも懸念されています。こうした予測がされるため、今オフの佐藤の米球界挑戦はない、と囁かれてきました」(前出・同)

 佐藤はまだ海外フリーエージェント権を取得していない。メジャーに渡るにはポスティングシステムしかないが、あくまで球団の権利であり、阪神がそれを容認する動きは見えていない。また、佐藤自身も今オフについてはひと言も発していない。それでも、メジャーリーグのスカウトは連日のように佐藤を追い掛けている。

「メジャーリーグの関係者を名乗る人物が、新・労使協定の喧騒を理由に『メジャーリーグ側は今オフの佐藤の挑戦はない』と言い切ったそうですが。一方でトップ級の幹部がわざわざ足を運んだメジャー球団もある。ポスティングシステムに掛けられる可能性は五分五分、と話すチームもありました」(前出・同)

 本当のところはまだ誰も分からない--というのが真相ではないだろうか。メジャーリーグの公式サイト「MLB.com」で今オフのFA選手のランキング表を発表しているが、そこには「Teruaki Sato」の表記はなかった。メジャースカウトによる連日の視察は「有事に備えて」の意味合いもあるようだが、佐藤と阪神球団の“沈黙”について、新たな見方も広まっていた。

単年契約の意味

 もっとも理想的な佐藤の米球界挑戦は、チームを球団史上初のリーグ連覇、日本一に導き、ファンが応援する形で送り出されること。ペナントレースの最終盤に差し掛かり、2位巨人と僅差での首位争いが続いていることから、“沈黙”にも合点がいく。しかし、こんな意見も聞かれた。

「今さらですが、佐藤の今季の契約内容が取り沙汰されています。キャンプイン前日の1月30日にサインし、『推定4億5000万円プラス出来高5000万円、単年契約』と伝えられました。この『単年』はどういう意味なのか、と」(在阪TV局員)

 プロ野球選手は1年ごとの契約であり、その年の成績によって次年度の年俸が決まる厳しい世界だ。近年ではFA移籍による複数年契約も定着しているが、そのFA権取得前の選手に対する「単年契約」が報じられたことで、さまざまな憶測も呼んでいる。

「ホワイトソックスの村上宗隆(26)は、三冠王になった22年のオフに東京ヤクルトから3年契約が提示され、その契約期間が切れた昨年オフにポスティングシステムに掛けられました」(スポーツ紙記者)

 順調に行けば、佐藤は29年オフに海外FA権を取得するが、すでに30歳となっている。それまでの間、佐藤と阪神球団はオフを迎える度にポスティングシステムで米球界に挑戦する時期について話し合うのだろうか。海外FA権を取得した上での米球界挑戦であれば“球団との衝突”はない。だが、佐藤はメジャー球団との大型契約も予想されるだけに、海外FA権での移籍となれば球団には何も残らない。損得勘定だけで考えれば、海外FA権を取得するギリギリまで佐藤にはチームに貢献してもらい、29年シーズンを迎える前の28年オフにポスティングシステムに掛ければ、巨額な譲渡金が得られる。

「28年オフまで待てないとなれば、国内FA権を利用する方法も考えられます。佐藤は来季、国内FAを取得します。そこでメジャーリーグ挑戦に理解のあるNPB球団に今オフに移籍すれば、事態は変わるかもしれません。楽天の辰己涼介(29)が同じ狙いで昨年オフに国内FA権を行使しましたが、他11球団からのオファーはありませんでした。でも、佐藤であれば阪神の強力打線の力を削ぐ意味合いもあって検討する球団も出てくるのでは」(前出・同)

 佐藤はチームが失速した9月に入っても、気を吐いている。9月のチーム打率は2割1厘、総本塁打8と厳しい状況が続くなか、打率2割7分8厘、本塁打5と高い数値を残しており、来季も阪神でプレーするとなれば、年俸は8億円にも膨れ上がるだろう。そうなると、海外FA権取得までの29年シーズンまで「球団は払い続けることができるのか」といった疑問も生じてくる。「4番佐藤」の喪失は大打撃だが、ポスティングシステムに掛けられる時期は前倒しされるのではないだろうか。

鈴木誠也の“前例”

「8月19日の東京ヤクルト戦で、カンザスシティ・ロイヤルズのJ.J.ピコロGM兼副社長、レネイ・フランシスコ副社長ら、トップ級幹部4人が堂々とバックネット裏に陣取っていました。佐藤の視察は今に始まったことではありませんが、球団幹部がわざわざ来日するということは本気で獲得を目指すつもりなのでは」(前出・在阪記者)

 今オフの米球界挑戦に悲観的な理由として挙げられたロックアウトの可能性だが、労使協定の話し合いが行われた21年オフに、鈴木誠也(32)がポスティングシステムに掛けられた。直後にMLBはロックアウトに突入し、45日間と限られた交渉期間のなかで労使協定の話し合いが重なるのはマイナスでしかなかったが、オンラインを使ってシカゴ・カブスとの契約をまとめてみせた。前例があるだけに「今オフは見送り」と決めつけるのはまだ早いのだ。

 優勝争いの佳境にある今はポスティングシステムの話し合いをすべきではないが、メジャーリーグにおける佐藤の評価は上がり続けている。

デイリー新潮編集部