目下、パ・リーグ首位打者のレイエス(C)共同通信社

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 プロ入りして間もないマイナーの有望株に、レベルアップに必要な資金を提供し、見返りにメジャーでの収入の10%を支払わせるビジネスを手がける「BLA」という会社がある。

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 このBLAは急成長しており、昨年6月パドレスの看板選手タティスJr.を相手取って200万ドル提供した際の「10%契約」に基づき、未払い分320万ドルの支払いを求める訴訟を起こした。タティスが「10%契約」の支払いを中止したのは21年4月。球団と14年3億4000万ドル(約510億円)の超大型契約を交わしたため、「10%契約」をそのまま履行すると3400万ドル(約51億円)を支払わないといけなくなるからだ。

 そこでタティスは、この契約が「野球しか知らない18歳の人間の無知に付け込んだ不当なものだ」と主張し、契約そのものを無効にする作戦に出た。 

 この裁判はタティス有利と思われたが、今年5月に出た判決は敗訴だった。裁判の過程で、BLA側は、タティスが200万ドルを受け取った際に高名な野球記者のインタビューを受けたときの映像を証拠として提出。その中で彼が「これで個人トレーナーを雇えるし、食事やアパートもアップグレードできる。10%契約も怖くはない」と語っていたため“無知に付け込まれて契約”という主張が虚偽と認定されたのだ。それに加え、BLA側が、「当社は約700人のマイナーの有望株に投資しているのですが6~8割はメジャーに上がれないまま終わるので、感謝はされますが、彼らからのリターンはゼロです。その大きな損失をメジャーで成功した選手から10%いただくことで埋め合わせてビジネスが成り立っているのです」と収益構造を分かりやすく説明したことも裁判所の心証を良くしたようだ。敗訴したタティス側は納得せず控訴する手続きを取った。

 BLAと「10%契約」を巡って争っている選手がもうひとりいる。日本ハムに在籍する昨年の本塁打王フランミル・レイエスである。今オフ契約が切れるレイエスはマイナーの1Aでプレーした際、BLAから無知に付け込まれて30万ドルを受け取り「10%契約」にサインさせられた。それでもメジャー在籍中、子だくさんで家計が苦しい中でレイエスは「10%契約」を履行。支払金額が30万ドルを超えたのでBLAに対する義理は果たしたと思い支払いをやめた。

 しかし、BLAはシビアに取り立てることで知られ、昨年、米国の裁判所にレイエスを相手取って未払い金40万ドルと延滞利息30万ドルの支払いを求める訴えを起こした。この金額は日本ハムでの収入も加算されて大きく膨らむ可能性もある。

 これに対し、レイエス側は弁護士を立て契約の違法性に焦点を当てて反撃に出ており、MLB選手会がBLAを「搾取的」と批判しているので勝訴する可能性がある。