大手卸、菓子事業に力 食品と連携し商品開発 物流効率化も視野に
大手食品卸が菓子事業に力を入れている。フルライン化を推進する中で、主力の食品と連携し開発力・提案力を発揮するとともに、物流の効率化を推進する狙いもある。
加藤産業は食品メーカーとのコラボレーションによる、ポテトスナックを開発した。シマヤ「だしの素」、エースコック「ワンタンメン」、伯方塩業「伯方の塩」など、馴染みあるブランド6種類の商品を11月にエリア限定で発売する予定だ。中村考直専務は「当社の強みである食品メーカーとのつながりと、自社ブランド製品で培ったノウハウを生かし開発した」と話す。
同社は23年に中間持株会社、加藤菓子ホールディングスを設立し、グループの菓子事業を拡大する狙いで再編。今年7月に神戸市で開催した新製品発表会には菓子メーカー40社が出展し、その数は着実に増加。「われわれの菓子事業に対する理解が深まっているのを感じる」(中村専務)。
輸入商品では、マレーシア産チョコレートの扱いを始めた。ブランド事業部の太田茂治部長は「カカオの高騰でチョコレートの値段が上がる中、手ごろな価格で販売できる」と狙いを話す。
旭食品も昨年から、菓子の輸入商品を本格的に扱い始めた。久郷正人商品統括本部長は「輸入品は価格訴求できるのがポイント。得意先からは『この価格で、この味なら』と評判をいただいている」と説明。一方で「為替の問題が今後の課題となる」と指摘する。
グループの丸高商会が販売していた一部商品はリニューアルに伴い、旭フレッシュの「ニッポン問屋」ブランドで販売を始めた。“国産”という付加価値を前面に打ち出す狙いだ。このようにグループシナジーを生かしながら商品開発に人材を投入。トモシアホールディングスとして、菓子部門の売上高1000億円という目標を掲げている。
日本アクセスの淵之上明生商品統括・マーケティング管掌は菓子の重点カテゴリーとして米菓、珍味、和日配菓子の3つを挙げる。このうち米菓については、「有力ブランドがあるものの、席巻されておらずチャンスがある」と意欲を示す。
7月に大阪市で開いた展示会では、同社の担当者が工場まで足を運んで選んだという地域の米菓商材を集めた。菓子MS部は「これらの商品を提案することで、その店独自の売場作りに貢献できる」と強調する。
西日本営業部門も独自の提案ブースを展開した。ブームの「お菓子帳」や「パン横スナック」といったテーマに沿ってコーナー化。担当者は「『お菓子帳』は客単価と点数のアップにつながる。『パン横スナック』は、食事を軽めにして間食で補うといった若い人たちのニーズに対応した」(近畿商品・営業推進部)と狙いを話す。
卸各社のこうした取り組みの背景には、食品以外の扱いを増やし得意先店舗のインストアシェアを高めたいという思いのほか、物流高への対応がある。菓子は主力であるドライ食品と同じ温度帯で運べるため、物量が増えることで効率化につながる。高騰する一方の物流費への対策としても期待される。
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