「あまり好きじゃなくて」女子ゴルフでウェアの色にこだわらない理由 吉澤柚月が信じるのは己のみ
ソニー日本女子プロゴルフ選手権第3日
国内女子ゴルフの今季メジャー第2戦・ソニー日本女子プロゴルフ選手権第3日が12日、石川・片山津GC白山C(6755ヤード、パー72)で開催された。2位で出たツアー1勝の吉澤柚月(三菱電機)は、3バーディー、1ダブルボギーの71で回って通算7アンダー。首位で通算8アンダーの勝みなみ(明治安田)に1打差の2位につけた。優勝を争う相手は実力者の先輩ばかりだが、「食らいつきたい」と闘志を燃やしている。
ムービングデーの重圧がのしかかる中、吉澤は1番パー5でいきなりバーディーを奪った。第3打を80センチにつけ、ギャラリーを沸かせた。
「それですごく気持ち的に楽になりましたし、回りやすかったです。前半は良いパーもありましたし」
だが、首位で迎えた12番パー4で試練が待ち受けていた。「風はアゲインスト」と読んで放った第2打が引っかけ気味に入り、グリーンをオーバーした。アプローチも乗せられず、4オン2パット。痛恨のダブルボギーで首位から陥落した。
ここで己の心と冷静に向き合った。
「もったいなかったのですが、『もう、しょうがない。絶対に次のホールでボギーを叩かないようにしよう』と心がけました」
13番パー3はピンを狙わず、「パーでしのぐ」をやり遂げた。そして、短いパー5の16番でスコアを伸ばし、18番パー4では2.5メートルのパーパットを冷静に沈めた。
その間、リーダーズボードを見る余裕もあったという。勝みなみ、桑木志帆、山下美夢有…。自分の他に上位にいるのは名だたるトッププロたち。その中に7連続バーディーの同学年の竹田麗央が入ってきたのを確認すると、思わずつぶやいた。
「麗央ちゃん、来てる!」
竹田は同じ2003年度生まれ
竹田は同じ2003年度生まれでジュニア時代から友人。21年秋のプロテスト一発合格で、24年にはツアー8勝で年間女王になり、昨季から米ツアーを主戦場にしている。一方で、自身は23年秋、3度目の挑戦でプロテストに合格。今年8月の北海道meijiカップでツアー初優勝を飾った。
そんな格上の選手たちと優勝を争う最終日。吉澤は勝、桑木と同じ最終組に入れたことを前向きにとらえていた。
「緊張というよりは、トッププロの方たちばかりなので自分は挑戦者。食らいついていこうという気持ちでできています。勝さんとは(予選ラウンドから)4日連続になりますが、最終組で自分が1番になったら、勝てるんじゃないかなって。初優勝の時も最終組でしたし」
最終決戦を前に「勝負カラー(ウェア)はあるのか?」という問いには、「ないです」と即答した。
「勝負カラーを作るのがあまり好きじゃなくて。『それ(勝負カラー)じゃないと勝てない』となるより、ウェアは毎回その時の気分で決めたいと思っています。明日は白でいこうと思っています」
験(げん)は担がない。ジンクスにも縛られない。信じるのは、目の前の一打と、等身大の自分自身だけだ。
「周りの空気に飲み込まれないように。自分のゴルフを確立してやりたいなと思います」
白のウェアに身を包む最終日。無欲の挑戦者は、恐れることなくメジャーの頂点へと歩みを進める。
(柳田 通斉 / Michinari Yanagida)

