Appleが2026年9月10日に発表したApple Watch Series 12とApple Watch Ultra 4では、AIがApple Watchを通じて聞いた音声を理解することができる「Audio Intelligence」という機能が搭載されます。このAudio Intelligenceがどうやってプライバシーを保護するのかに関する技術的資料をAppleが公開しました。

Audio Intelligence Privacy Overview

(PDFファイル)https://www.apple.com/privacy/docs/Audio_Intelligence_Privacy_Overview_Sep_2026.pdf



Read the Apple document explaining how new listening features still protect your privacy | The Verge

https://www.theverge.com/tech/992919/apple-siri-ai-audio-intelligence-privacy

2026年に発売されるApple Watch Series 12とApple Watch Ultra 4で使える新機能の「Audio Intelligence」は、Apple Watchを通じて聞いた音声をAIを用いて理解することができるようになるというもの。例えば、聴覚に支障があるユーザーにとってのアクセシビリティとして応用したり、サイレンや赤ちゃんの泣き声などを検知した時に通知したりすることも可能です。



他にも、話の重要な部分を聞き逃しても、Digital Crownを2回押すだけで最大15秒前までの音声を文字起こしして確認することができる「Live Rewind」機能。



Apple Watchが周囲の音を聞き取って、ミーティングや保護者会の重要事項など、会話の内容を大まかにメモできる「Siri Recap」という機能もあります。



Appleは発表時に、Audio Intelligenceは音声の録音を保存せず、処理に使える生の音声にはAppleを含めて一切アクセスすることができないと説明しました。話している人を特定することもなく、Siri Recapで生成されたメモはiCloudと同期される時にエンドツーエンドで暗号化されるため、プライバシー保護は万全であるとAppleは主張しています。



このAudio Intelligenceにおけるプライバシー保護の最も重要なポイントは、アクセス可能な音声録音ファイルが作られないという点です。生の音声はAppleのセキュリティコプロセッサである「Secure Exclave」上で一時的に保管されます。このSecure Exclaveに一時保管されたデータが暗号化された上でペアリング中のiPhoneに転送され、音声の文字起こしが行われます。そして、この文字がAppleのAI処理サーバーであるPrivate Cloud Computeに送信され、情報の要約などが行われるそうです。

Secure Exclaveは、Apple Watch Series 12およびApple Watch Ultra 4に搭載されるS11チップに組み込まれているセキュリティコプロセッサです。Apple Watch向けのSチップでSecure Exclaveが内蔵されるのは今回が初となります。AppleはこのSecure Exclaveを、「センサーデータをシステムの他の部分とは別に処理するために組み込まれたハードウェア的に隔離された区画」と説明しており、Secure Exclave上のデータにはwatchOS、iOS、アプリ、ユーザー、Appleのいずれもアクセスできないと記しました。



Appleは、Audio Intelligence機能が「有効かどうか」あるいは「有効にするタイミング」を、ユーザーが制御できると説明。Audio IntelligenceをiPhoneに転送する必要がある場合、両方のデバイスのSecure Exclaveを介して暗号化された状態で転送されるため、データはセキュアに保たれます。