2失点のうち1点はPKで、もう1点も対応の難しいシュートだった。いずれも鈴木に明確な責任を問うような失点ではない。5セーブを記録し、ビラの3-2の勝利を支えた。
 
 リーグ開幕3試合で得点も勝利もなかったビラにとって、待ちわびた白星だった。『デーリー・テレグラフ』は、粘り強く守る終盤に、GKの鈴木が示した「ゴール前での存在感」も評価した。配球に目を引かれた同紙の記者は、緊迫した終盤でのセーブにも目を留めていた。

 鈴木にとっては、加入後まだ3試合目である。プレミアリーグ開幕戦はベンチで過ごし、第2節のアーセナル戦でデビュー。続くハル戦では無失点に抑えた。ハル戦後、ウナイ・エメリ監督は「鈴木は、もう一歩前進した」と喜び、何に満足しているのかを具体的に語っていた。
 
「鈴木はボール保持で主導権を握り、ビルドアップに加わって、我々が辛抱強くプレーするのを助けてくれた。時にはストライカーやウイングへ良いロングボールも送った。クロスやセットプレーなど、守備で対応が必要になった場面でも存在感を示した」

 ボールをつないで攻める時間にも、相手の攻撃を受ける時間にも、智将エメリは鈴木の働きを高く評価していた。その言葉から3日後──初めてのCLでも鈴木は同じ仕事をこなした。

 日本人GKとして歴史を刻んだその夜、鈴木はビラの守護神として、勝利を支える存在となった。

文●田嶋コウスケ

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