老いを感じるほど年齢を重ねてはいないけれど、若い頃との違いが身にしみる40代。「マルサイの惑いっぱなし40代」では、現在46歳、3人の息子と夫と暮らすイラストレーターのマルサイさんが、暮らしの中で感じている40代の悩みに、七転八倒しながら向き合っていきます。今回は「アゲハチョウの幼虫の飼育」について。

イモムシが好きです

イモムシが好きというと驚かれることが多いのですが、SNSなどで飼育している人をチラホラ見かけるので、好きな人は意外と多いのかもしれません。

私がイモムシを好きになったのは小学生低学年の頃、庭のユズの木についていたアゲハチョウの幼虫がきっかけでした。

葉っぱに鳥のフンがついていると母に伝えると「それはアゲハチョウの幼虫だ」と教えてもらい、よく見ると顔もあって足もある幼虫だったのです。

アゲハチョウの幼虫のバブバブ期(孵化~4齢幼虫)の見かけはまんま鳥のフンで、それは天敵から身を守るための擬態なわけなのですが、幼い私はそのことにものすごい衝撃を受けたのでした。

「鳥のフンを装って敵の目をあざむいているだと…⁉ なんという神秘! なんという不思議! イモムシってすごい!」(たぶんこんな感じのことを思ったはず)

好きをとおり越して畏敬の念を抱いています。

スーパーで買ったブロッコリーやレタスにイモムシを発見したら、羽化するまでお世話するのが天命だと思っているので、丁寧に飼育しています。たいていガになります。

「アゲハチョウの飼育」が毎年の楽しみ

さて、そんなイモムシ好きの私の毎年の楽しみが、アゲハチョウの飼育です。実家のユズの木の剪定時に、幼虫や卵のついた枝葉を回収し、自宅に持ち帰ってせっせと育てるのが楽しくてたまりません。

子育てが落ち着きつつある今、持て余している母性は幼虫たちに全力投球です。新鮮な食草を与え、飼育ケースの中を清潔に保ち、ストレスにならない温度と湿度をキープ。

幼虫たちの成長過程をよく観察して、サナギになる兆候が見られたら広い段ボールへ移し、落ち着ける環境でサナギになってもらいます。

サナギになったら羽化したときに羽を傷つけないよう(そして飼い猫の標的にされないよう)、段ボールのフタをあけてベランダへ。羽化して飛び立つのは、だいたい午前中の早い時間なので「そろそろ羽化するな」と思った日は早起きをして、家の中からガラス越しにそっと旅立ちを見守ります。

今年は8匹の幼虫を育て、全員立派なチョウとなり大空へ羽ばたいていきました。イモムシたちが美しい姿になり、軽やかに空を舞う姿は、何度見ても感動ものです。

イモムシが与えてくれる「萌え」

孵化から羽化までは3週間ほどで、飼育期間は短いですが、「幼虫が葉っぱをハムハムするのかわいい~!」「フンをするとき、お尻をクイっと持ち上げるのかわいい~!」「小さい前脚で葉っぱをつかむのかわいい~!」と、たくさんの萌えを与えてくれます。

これはニンゲンの赤ちゃんを育てているときに得られる萌えと近しいものがあります(自分比)。幼虫の成長に一喜一憂しながらの数週間は、幸せホルモンが大量に分泌されるのか、メンタルが超安定(笑)。

今年も無事成虫になるまで育てあげられた、という安堵感と達成感はなんともいえませんね。

40年前も同じように幼虫を育てていた

思い返すと、小学生の頃も教室の片隅でせっせとモンシロチョウの幼虫を育てていたものでした。

飼育ケースの隙間から脱走した幼虫が、天井近くでサナギになっていました。羽化が近くなるとサナギの色が変化してくるので、その瞬間を見逃すものかと授業そっちのけで天井を見上げていました。教室に、羽化したてのモンシロチョウがヒラヒラと舞う光景が美しかったです。

…と、ここまで書いて、40年経っても同じことをしている自分に気がつきました! 40年後もヨボヨボしながら幼虫を愛でていそう…(笑)。