【解説】東京・新宿区が民泊規制強化へ…背景に“住民とのトラブル” 「ゴミ」や「騒音」昨年度の苦情や相談1334件
いま、3928件と全国最多の「民泊」の施設がある東京都新宿区が8日、住宅や学校周辺での民泊営業を「原則禁止」する方針などを明らかにしました。
こうした規制強化で、およそ半数にあたる2000件ほどが営業できなくなる可能性があるということです。背景にあるのは、各地で相次いでいる住民とのトラブルです。
千葉県一宮町の民泊周辺では、騒音トラブルや、宿泊者とみられる人がたばこをポイ捨てする様子などを住民が撮影していました。
新宿区が規制強化を打ち出した背景に何があったのか、小栗泉・日本テレビ特別解説委員が解説します。
■「ゴミ」や「騒音」…昨年度の苦情や相談は1334件
全国最多の民泊がある新宿区でもトラブルが多発し、「生活環境の悪化」が課題となっています。住民からの「苦情」の例として、新宿区では例えば、次のようなものがあるといいます。
・「ゴミ」
スニーカーの空き箱やスーツケースが、ゴミ置き場に投げ捨てられていた。
・「騒音」
春や秋など、過ごしやすい気温になると窓を開けて夜中にパーティーをやっている。
・「誤訪問」
近隣住民の家に、間違えて民泊の客と思われる人が入ろうとする事例も多い。
昨年度はこうした苦情や相談が1334件寄せられ、前年度から500件以上増加したということです。
■約2000件が営業不可に?

--苦情や相談が増加した理由は?
新宿区は、事業者が外国人も含む利用者にきちんとルールを説明していないことなどを問題視しています。
より厳しいルールが必要として、来年6月から施行する方針の条例で、住宅や学校周辺での営業を「原則禁止」に。しかも、新規開業だけではなく、すでに営業している施設も対象とする方針です。
ただ、従業員が常駐するなど一定の条件を満たせば、営業を認めるとしています。
さらに、商業施設が多い地域でも、営業できる1年間の日数を現在の「180日」から「120日」に減らすということです。
こうした新たな規制で、およそ2000件が営業できなくなる可能性があるというわけです。
■今後も民泊を続けていくには…

--民泊をとりまく環境が変わってきたということでしょうか?
そうですね。日本では2018年に「住宅宿泊事業法」が施行され、「民泊」のルールが定められました。当時は、増加する外国人観光客の受け皿を広げるという狙いもありましたが、一方で、各地でトラブルも相次ぎました。
実は、浅草などの観光地がある東京・台東区でも、来年1月から一部の住宅地などで新たな民泊の営業を認めないとする条例案が議会に提出されました。
観光庁は、民泊でトラブルが多いことについて、ホテルや旅館と違い住宅地でも営業できることをあげています。
民泊はその土地の暮らしを体験できるなど、さまざまな宿泊機会を提供できるメリットもありますが、今後も民泊を続けていくには、事業者による適切な管理と苦情への対応が重要です。
(9月8日放送『news zero』より)