札幌2歳Sを楽勝したショウナンガレオン(手前左)

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 「これ、本当に重賞?」。先週の札幌2歳Sの出馬表を見て、そう思ったファンもいたのではないか。9頭立てで、そのうち未勝利馬が5頭。評判馬ショウナンガレオンが快勝したとはいえ、来春のクラシックにつながる登竜門としては寂しい顔触れだった。競馬場にいても、レース前の高揚感が例年より薄かったと感じたのは気のせいではないだろう。

 こんな状況は札幌だけではない。新潟2歳Sは10頭立て(初出走馬1頭、未勝利馬4頭)、中京2歳Sは9頭立て(未勝利馬3頭)。14年の札幌2歳Sは20頭が登録し、新馬勝ちの馬ですら抽選に漏れて出走できなかったというのに…。

 馬券の売り上げも振るわない。新潟2歳Sが前年比80・9%、中京2歳Sが77・1%、札幌2歳Sが71・2%。3重賞とも前年を大きく下回った。中京2歳Sが行われた日の中京全体の発売金は前年比112・1%。一日全体では売れているのに、肝心のメインレースが大きく落ち込んだ。

 単純に2歳馬の数が減っているのでは-そう考えたくもなる。だが、今年の2歳世代が生まれた24年の国内サラブレッド生産頭数は7925頭で、9年連続の増加だった。馬が減ったからという推察は当てはまらない。

 ノーザンファーム天栄の木實谷場長は、それぞれのレースに事情があると説明する。新潟2歳Sは同じ週に札幌でワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)が組まれる日程、中京2歳Sは距離の短さ、札幌2歳Sは連続開催の最終週で馬場が悪くなりやすいこと。「本当は6月や7月に勝ち上がった馬を使いたい気持ちはあるのです」と話す。一方、夏の暑さが原因では?という見方には「そこは関係ありません。今はクーラーを入れている厩舎もあるし、当たり前のように暑熱対策をやっていますから」と否定した。

 競走取りやめには、このような規定がある。G1やG2、G1トライアルなどは4頭以下でも行われるが、G3以下は出馬投票の段階で4頭以下になると取りやめ。今年の札幌2歳Sは、未勝利馬5頭が出走していなければ4頭となり、規定上は競走取りやめとなる頭数だった。特別登録が少ない時には、JRAが各調教師にメールなどで状況を知らせ、出走を促してレースの取りやめを防ぐ。

 未勝利馬の挑戦を責める話ではない。少頭数なら入着賞金を手にする可能性も高まる。出られるなら挑戦したいと考えるのは当然だろう。ただ、今のようにG3を夏に並べ続けるのが本当に最善なのか。距離も時期も、まだ工夫の余地はあるはず。勝ち上がった2歳馬を、陣営が「ここなら使いたい」と思える舞台であって欲しい。看板だけ残しても、重賞の価値は守れない。(デイリースポーツ・刀根善郎)