国連が世界地図をメルカトル図法ではなくイコールアース図法に置き換えを促す決議、アフリカが実態より小さく見えるため

国際連合総会は、16世紀から世界中で広く使われている「メルカトル図法」ではなく、地球上の大陸の面積をより正確に反映する地図投影法「イコールアース図法」を推進する決議案を賛成多数で承認したと発表しました。
UN tells the world: Stop making Africa look small | UN News
https://news.un.org/en/story/2026/09/1168284
一方で、メルカトル図法は赤道から離れて北極や南極に近づくほど、地図が引き伸ばされて実際より大きく表示されます。たとえば、北極圏にあるグリーンランドの面積は約216万平方kmで、約3040万平方kmのアフリカ大陸の14分の1程度ですが、メルカトル図法の地図上ではグリーンランドとアフリカ大陸はほぼ同じ面積に見えてしまいます。

西アフリカに位置するトーゴ共和国は、メルカトル図法による歪みは「アフリカを象徴的に矮小(わいしょう)化させる」と主張し、世界に対する偏った見方を永続させてきたと指摘してきました。そして、「地図上の任意の場所で実際の面積との比が等しくなる」という利点を持つイコールアース図法が2018年に開発されたことから、このイコールアース図法を推進する決議案を提出していました。

トーゴ共和国のロベール・デュッセイ外相は「地図は私たちの世界理解を形作るものです。地図は教育の指針となり、想像力を育み、集団的な認識に影響を与えます」とコメントしています。なお、デュッセイ外相は、今回の取り組みはメルカトル図法を非難するものではなく、航海におけるその有用性を認めつつも、単一の投影法を押し付けることを意図したものではないと強調しています。
2026年9月4日に行われた国連総会で、決議案は164対1の賛成多数で承認しました。反対票を投じたアメリカは「この構想は過激なイデオロギー的計画の一環である」と非難しました。
On Friday, the United Nations General Assembly adopted an African proposal for a new world map, which shows countries’ true size relative to one another.
In favor: 164
Against: 1
Abstentions: 6 pic.twitter.com/5BE4LUiojH— UN News (@UN_News_Centre) September 4, 2026
また、エストニア、ジョージア、リトアニア、モルドバ、セルビア、ウクライナの6カ国は棄権しています。このうち、ウクライナは地図投影法によってアフリカなどの地域が影響を受けている「歴史的歪み」を修正する取り組みを支持すると表明したものの、イコールアース図法の地図がウクライナ領土を描写する方法に異議を唱えています。
欧州連合(EU)は決議案に賛成していますが、ウクライナと同じ懸念事項に言及したとのこと。アイルランドはEUを代表し、「この措置は陸地の相対的な大きさのみに適用され、主権、領土的地位、国際的に認められた国境とは何ら関係がない」と述べています。一方、フランスのジャン=ノエル・バロ外相はフランス政府がメルカトル図法の使用を放棄する計画であることを明かし、イコールアース図法の採択に前向きな姿勢を示しました。
なお、国際連合は「地球の曲面を平面上に完全に再現できる投影法は存在しない。どの投影法も、面積、形状、距離、方向など、何らかの要素を犠牲にする必要があり、それぞれ異なる目的に適している」と述べ、今回の決議が法的拘束力を持たず、メルカトル図法の地図を禁止するものではないと述べています。
