「鼻から血を流し、ドレーンをつけたまま…」10年間引きこもり→整形し大変身…非モテ男性だった毒牙メノ(30)が語る、180度変わった見た目への思い〉から続く

 小学校での容姿いじりが原因で約10年におよぶ引きこもり生活を送り、容姿のコンプレックスを乗り越えようと総額2000万円以上となる整形手術を受け続けてきた、ビジュアル系バンド「電脳ヒメカ」のベーシスト・毒牙メノさん(30)。

【衝撃画像】まるで別人…「陰キャの3軍男子」→2000万円の整形手術で大変身した毒牙メノさん(写真多数)

 そんな彼に、昨年起こった大変な出来事、SNSに寄せられる誹謗中傷、容姿にとらわれなくなった現在の自分などについて、話を聞いた。


毒牙メノさん

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「29年間しょうもないことばかりしてきたな」と思い詰め

--少し前にまた希死念慮が強まり、思い詰めてしまったことがあったそうですね。

毒牙メノ(以下、メノ) さまざまな出来事が重なったんですけど、「人から愛をもらうことでしか自分自身を認めることができない」とあらためて気づかされるタイミングがあって。

 恋愛に限らず、「好きって言ってもらえること」「価値を見出してもらえること」で自分の存在を確認してきただけだったなと。「29年間の人生、しょうもないことばかりしてきたな」と思い詰めてしまいました。自分で自分を愛することができなかったというか。

「周りにたくさん支えてもらいました」

--でも思いとどまることができた。

メノ メンバーにはすべてを話していたので、相談しながら助けてもらって。母も広島から来てくれたりして、周りにたくさん支えてもらいましたね。

--希死念慮はまだ残っていますか。

メノ なくなりました。あれから半年以上経ちますけど、人が変わるくらい価値観が変わって。自分で自分のことをちゃんと愛せるようになったというか。本当につい最近のことですけど。

人から好意を向けてもらうことで自分の価値を確かめていた

--どんなきっかけで変われましたか。

メノ いろんな人と関わったこと、そして1日12時間くらい自問自答し続けた半年間があったことで変われました。昔から抱いていた希死念慮も、希死念慮だと気づけたのはその時期があったから。整形も、ヒモのような生き方も、全部そこから振り返ってようやく意味を理解できたというか。 

--SNSでネガティブなコメントが寄せられても、メンタルに影響しないですか。

メノ 傷つかなくなりましたね。「整形してこれか」とか「気持ち悪い」あたりは来ますけど、むしろそれをネタに使えてラッキーな気持ちになれる。それも、この半年で考え方が変わったことが大きいと思います。

 以前は、ファンが増えれば増えるほど「価値を見出してもらえている」って気持ちになって、1人でも減ると「自分の価値がなくなった」と凹んでしまっていたんです。増え続けなければ不安で、減ると怖くて、常に満たされていない感があって。それが消えましたね。

今後はいい年の取り方をして受け入れていきたい

--現在の自分の顔に点数をつけるとしたら?

メノ 10点満点で7点ですかね。鼻をもう一度直したいのと、肌をもっときれいにしたいのが、残り3点。

--では、今後も粛々と整形を続ける予定ですか。

メノ 2、3ヶ月後にまた鼻をやる予定があります。鼻先に入れた骨が飛び出しそうになって、皮膚が薄くなってきているので、小さくして飛び出ないようにする手術なんです。大きい骨切りはもうやりたくないですね。今後はいい年の取り方をして、受け入れていこうかなと思っています。

 輪郭を削ったあたりから「顔のせいで死にたい」って気持ちはだいぶなくなったので、ある意味であの2000万円の整形は、自分にとっては必要な過程だったのかもしれないですね。

25歳ごろから入れ始めたタトゥー

--メノさんはタトゥーもがっつり入っているんですよね。

メノ そうですね。全身脱毛してからタトゥーを入れようと思っていたので、20歳から脱毛を続けて、25歳ごろからタトゥーを入れ始めました。最初はお腹に小さいものだけ入れて終わりにするつもりだったんですが、入れた瞬間にハマってしまって。気づいたら両腕、背中、脚と、どんどん増えて。首ももう少し入れようかなとは思っています。

--現在はバンドだけで生活ができているのですか。

メノ おかげさまで、バンドだけで完全に食べていけています。ライブが月に10本前後あって、今年は7月末まで全国約20県を回るツアーをやって、8月頭にツアーファイナルとして大きい会場でやりました。バンドだけで食べていけるとは正直思っていなかったので、本当にありがたいことです。

はじめて本当の意味で自分を好きになれた感覚

--30歳でようやく、自分を認めることができたと。これまでの人生をどう受け止めていますか。

メノ 昔の自分には戻りたくないですね。昔のほうが素じゃなかったと思うので。顔が変わることで自信がついて、自信がついたことでメンタルが変わって、でも最終的には、顔じゃなくて自分の内面をちゃんと見つめることができて、はじめて本当の意味で自分を好きになれた感覚があります。

 顔のことで悩むのは人生でものすごく余計なことで、生まれた瞬間からそういう悩みは少ないほうがいいに決まっている。もともと顔のいい人のほうが強いと思う部分もありますよ。でも、だからといって自分の人生が間違いだったとは思わない。あの遠回りがあったから今があるんですよね。

--アーティストとして今後の展望を聞かせてください。

メノ 顔ではなく、中身で見てもらえるアーティストになりたいですね。僕に興味を持ってもらうきっかけは顔でも何でもいいんですけど、最終的には音楽性だったり、ステージで何かを感じてもらえたり、人柄で好きになってもらえたり、そういうものが積み上がっていく活動をしていきたいです。

 そして、かつて自分がそうだったように、見た目のことや不登校のことで悩んでいる人に、何かを伝えられるアーティストでもありたいですね。傷ついていた時代が長かった分、その痛みはちゃんと分かっているので。

写真=榎本麻美/文藝春秋

(平田 裕介)