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初代日産ガゼールがやってきた!

こうして1980年秋、18歳の私の元に、初代日産ガゼールがやってきた。天にも昇る心地だった。

【画像】元祖デートカーは3代目日産シルビア&初代ガゼール!当時の写真を振り返り 全64枚

1.8LのZ18型エンジンは115馬力。そのパワーを、5速MTを通じて余すところなく路面に叩きつける。もちろんぜんぜん速くありませでしたけど、当時は一億総中流時代であり、大して速いクルマが存在しなかったので、性能差は根性(あるいは狂気)で簡単に克服できた。


前回に続き、筆者がかつて所有した初代日産ガゼール(1.8Lでした。写真は2L)の話です!    日産自動車

そしてデザイン。ガゼールは信じられないくらいカッコよかった。

当時乗用車には、セダン系、コンパクトハッチ系、そしてスポーツ系の3種類しか存在せず、セダン系=おっさん、コンパクトハッチ系=サンダル、スポーツ系=カッコマンというのが、全国民の共通認識だった。

ガゼールは誰が見てもスポーツ系であり、しかも最先端のカッコよさ(≒直線基調のスポーティなフォルム&角形ヘッドライト)に満ちていたので、全国民が羨望の眼差しを向けた(本当)。

「うわ、カッコいいね~」

「ちょっとカッコよすぎるんじゃない?」

「フロントウインドウの角度、すごいね。これならスピード出るでしょ!」

そんな賞賛の言葉が浴びせられた。当時、クルマの速さは、フロントウインドウの角度で決まった(ような気がした)のである。

本当の本気で最先端にカッコよかった!

実際のところ、3代目日産シルビア/初代ガゼールは、本当の本気で最先端にカッコよかったし、しかもそれは、日本初の本格的な『デートカー』でもあった。

デートカーというと、S13型5代目シルビア(1988年~)や2代目プレリュード(1987年~)がその代表とされるが、実はその8年も前、3代目シルビア/初代ガゼールが先陣を切っていたのである!


友人たちと車中泊旅行で訪れた福井県にて!    清水草一

デートカーとは、『スポーツカーのような外見を持つ快適な乗用車』のことだが、私のガゼールはまさにそれ。外見は完全にスポーツカー『みたい』だったし、エアコンもパワーウインドウも付いていた。パワステはなかったけれど、タイヤがとっても細かったので(165SR14)、そんなものは要らなかった。ちなみに2Lの最上級グレードには、パワステも付いたようです。

私はガゼールで青春を燃焼させた。当時、スピードは豊かさの指標であり、老若男女がスピードを愛していたので、現在みたいに世間から厳しく指弾もされず、ひたすら全開でスピード(直線限定)に熱狂した。

カッコいいガゼールのお陰か、間もなく彼女もできたので、彼女を助手席に乗せてさらに飛ばした。彼女はそれをとても喜んでくれたので、ますます調子に乗って飛ばすという正のスパイラルだった。

友人たちとは車中泊の旅に出かけ、狭いガゼールの車内で男3人、縮こまって寝た。これが青春でなくて何だろう!

幼年期の『基地ごっこ』の延長!

私はガゼールを心から愛した。暇さえあればガゼールの運転席に座り、心を癒した。ここに住みたいとすら本気で思った。それは幼年期の『基地ごっこ』の延長だった。

その後ガゼールには、1.8ターボやDOHCのRSが登場したけれど、『スピード=根性』と信じていた私は、特に羨ましいとは思わなかった。


エンケイのホイールと185のアドバン(と筆者)!    清水草一

ただカッコ的に、タイヤだけは太くしたかった。なにしろガゼールはベースがサニー。トレッドが狭く、タイヤが内側に引っ込んでいるのが、デザイン的に唯一の欠点だったからである。

そこで貯金をはたいて、エンケイのアルミホイール&185のヨコハマ・アドバン(インチ数は忘れた)を履かせた。

アドバンの効果は絶大で、コーナリングフォースがそれまでの数倍(体感です)に向上した。ハンドルを切れば切っただけ曲がる! 私は速度を落とさず、「よいしょ!」の掛け声とともにハンドルを思い切り切り、交差点を超速で曲がる技を会得した。アドバンおそるべし……。原始時代でどうもスイマセン。

(つづく/隔週金曜日掲載、次回は9月18日金曜日公開予定です)