「性行為して1週間後に体調悪い」症状の原因はご存じですか?男女別に医師が解説!
性行為の1週間後に体調が悪くなる原因とは?考えられる病気や受診すべき診療科、対処法を監修医が解説します。不安な症状があれば早めに相談しましょう。
この記事のまとめ
性行為から1週間後の体調不良は、男女で考えられる原因が異なります。男性では淋菌感染症などの性感染症が潜伏期を経て症状を出す時期にあたり、排尿時痛や分泌物が特徴です。女性でも淋菌やクラミジアなどの性感染症の可能性がありますが、クラミジアは潜伏期が長くこの時期にはまだ症状が出ないこともあります。また女性の場合、受精卵の着床に伴う体調変化や少量の出血(着床出血)が見られることもあり、排尿時痛やおりものの増加、持続する出血があれば産婦人科や泌尿器科の受診が勧められます。
監修医師:
阿部 一也(医師)
医師、日本産科婦人科学会専門医。東京慈恵会医科大学卒業。都内総合病院産婦人科医長として妊婦健診はもちろん、分娩の対応や新生児の対応、切迫流早産の管理などにも従事。婦人科では子宮筋腫、卵巣嚢腫、内膜症、骨盤内感染症などの良性疾患から、子宮癌や卵巣癌の手術や化学療法(抗癌剤治療)も行っている。PMS(月経前症候群)や更年期障害などのホルモン系の診療なども幅広く診療している。
「性行為して1週間後に体調悪い」症状で考えられる病気と対処法

性行為後になんとなく体調が悪いと感じられる場合、考えられる原因を男女それぞれについて分けて解説します。
性行為して1週間後に体調悪い症状で考えられる原因と対処法
性感染症の初期症状、あるいは単なる体調不良などが理由として挙げられます。女性の場合は、受精卵の着床に伴う症状の可能性も考えられます。
男性で性行為して1週間後に体調悪い症状で考えられる原因と対処法
男性が性行為1週間後ほどで体調不良になる理由の一つとして、性感染症が挙げられます。
例えば淋菌感染症は潜伏期2~9日ほどとされており、症状が現れ始めるタイミングになるケースもあります。一般的な症状には、急性尿道炎が起こり尿膿から膣や粘り気のある分泌物が出るようになる、排尿時の痛みなどがあります。このような症状がみられる場合には、泌尿器科などの受診が勧められます。
女性で性行為して1週間後に体調悪い症状で考えられる原因と対処法
女性では性感染症の初期症状が乏しいケースもありますが、淋菌感染症や性器クラミジア感染症の場合は子宮頸管炎や尿道炎などの症状が現れる方もいます。ただし、性器クラミジア感染症の潜伏期間は1~3週間程度であり、性行為から1週間前後ではまだ症状が現れないこともあります。性交渉の後に排尿時の違和感やおりものの増加などがみられ、症状が続く場合には産婦人科や泌尿器科、性感染症科などの受診が勧められます。
また、妊娠した場合には、体調変化を自覚する方もいます。性行為をすると、そのタイミングによっては精子が卵子と結合(受精)することがあります。そして、受精後1週間ほどで、受精卵が子宮内膜に着床します。
妊娠初期の症状としてはさまざまなものがありますが、人によっては受精後1~2週間という早い時期に少量の出血(着床出血)がみられるケースもあります。しかし、これは必ずしも全ての妊娠で起こるわけではありません。出血が持続する、量が多い場合などは、産婦人科医の診察を受けるようにしましょう。
すぐに病院へ行くべき「性行為して1週間後に体調悪い」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
性行為して1週間後に体調悪く排尿時の痛みやおりものの増加がある場合は、産婦人科や泌尿器科、性感染症科へ
性行為の1週間ほど後に、排尿時の痛みやおりものの増加などがあるときには、性感染症の初期症状の可能性があります。このような場合には医療機関を受診し診察を受けましょう。
また、頻度は低いものの、妊娠兆候の一つとして少量の出血がみられるケースもあります。ただし、性器からの出血は、子宮頸管ポリープや子宮頸がんなど、妊娠以外の可能性を示唆することもあります。そのため、通常の生理以外で出血が続く場合には産婦人科を受診するとよいでしょう。
病院受診の目安となる「性行為して1週間後に体調悪い」ときのセルフチェック法
・女性で膣からの出血がある場合
・排尿時の痛みがある場合
・尿に膿が混じっている場合
これらの症状がある場合には、医療機関を受診しましょう。
「性行為して1週間後に体調悪い」症状が特徴的な病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「性行為して1週間後に体調悪い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
クラミジア
性器クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマチスという細菌による性感染症です。男性では尿道炎による排尿時痛や尿道分泌物、女性では子宮頸管炎によるおりものの増加や不正出血などがみられることがありますが、無症状の方も少なくありません。抗菌薬による治療が行われ、治療中は性行為を控え、パートナーも一緒に検査・治療を受けることが重要です。女性の場合、適切な治療を受けないと、子宮外妊娠(異所性妊娠)や不妊症の原因になり得てしまいます。症状がある場合や感染の可能性がある場合は、男性は泌尿器科、女性は産婦人科または泌尿器科、性感染症科を受診しましょう。
淋菌
淋菌感染症は淋菌による性感染症で、男性では排尿時の強い痛みや黄色~白色の膿性分泌物がみられることがあります。女性では症状が軽いこともありますが、子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患の原因となることがあります。また、クラミジアと同様に不妊症の原因になり得ます。抗菌薬で治療しますが、薬剤耐性が問題となることもあるため自己判断で治療せず、医療機関を受診してください。男性は泌尿器科、女性は産婦人科・泌尿器科・性感染症科が受診先となります。
梅毒
梅毒は梅毒トレポネーマによる性感染症です。感染後約3週間で感染部位に痛みの少ないしこりや潰瘍が現れることがあります。この潰瘍は、初期硬結や硬性下疳(こうせいげかん)とも呼ばれます。その後自然に改善しても体内には病原体が残るため、放置すると全身へ病気が進行する可能性があります。早期に抗菌薬による治療を受けることが重要です。男性は泌尿器科、女性は産婦人科、または皮膚科・性感染症科を受診しましょう。
HIV
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、性的接触や血液などを介して感染するウイルスです。感染初期には、感染成立から2~4週間ほどで発熱、咽頭痛、発疹、筋肉痛、リンパ節の腫れなど、インフルエンザに似た症状(急性HIV感染症)が現れることがあります。一方で、この時期も含め無症状で経過する方も少なくありません。
また、性行為から1週間ほどでは症状が現れることは少なく、体調不良だけでHIV感染の有無を判断することはできません。感染が心配な場合は、適切な時期にHIV検査を受けることが重要です。早期に診断され、抗HIV療法を開始することで、健康な方とほぼ変わらない生活を送ることが期待できます。
感染の可能性がある性行為があり、発熱や発疹などの症状が続く場合や不安が強い場合は、内科、感染症内科、性感染症科などに相談しましょう。
妊娠(超初期症状)
妊娠超初期とは医学的な正式名称ではありませんが、一般的には受精から妊娠検査薬で判定できる頃までを指すこともあります。この時期は着床に伴う少量の出血(着床出血)や下腹部痛、眠気などを感じる方もいますが、多くは無症状です。妊娠の有無は症状だけでは判断できないため、生理予定日を1週間過ぎてから妊娠検査薬を使用し、陽性の場合や異常な腹痛・多量の出血がある場合には産婦人科の受診が勧められます。
「性行為して1週間後に体調悪い」の正しい対処法は?

性行為後1週間ほどで体調不良が続く場合は、自己判断で様子を見るのではなく原因に応じた診察を受けることが大切です。発熱や排尿時痛、おりものの変化などがある場合は性感染症の可能性もあるため、早めに受診しましょう。妊娠の可能性がある場合は、市販薬を自己判断で服用したり、健康診断などで不要なX線検査を受けたりすることは避け、生理予定日以降に妊娠検査薬を使用してください。十分な休養と水分補給を心掛け、症状が強い場合や悪化する場合は医療機関を受診しましょう。
「性行為して1週間後に体調悪い」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「性行為して1週間後に体調悪い」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
性行為の1週間後に体調が悪くなる原因には何があるでしょうか?
阿部 一也(医師)
性感染症の初期症状や、一般的な感染症・体調不良などが考えられます。
女性では妊娠に伴う体調変化がみられることもありますが、性行為から1週間では自覚症状がない方も少なくありません。
性行為の1週間後の体調不良は性感染症の可能性もありますか?
阿部 一也(医師)
はい、淋菌感染症では1週間前後で症状が現れることがあります。
クラミジアや梅毒なども可能性があります。ただし、感染していても無症状の場合もあるため、不安がある場合は検査を受けることが勧められます。
性行為から1週間経っても体調が悪い時は何科を受診すべきですか?
阿部 一也(医師)
男性では泌尿器科、女性では産婦人科または泌尿器科が一般的です。
発熱など全身症状が強い場合には内科を受診し、必要に応じて専門科を紹介してもらうこともできます。
まとめ性行為して1週間後に体調悪いときは自己判断せず医療機関を受診しよう
性行為から1週間後程度で体調に変化を感じるときには、性感染症や一般的な体調不良、女性では妊娠に伴う変化などさまざまな原因が考えられます。症状だけで原因を判断することは難しいため、排尿時痛やおりものの異常、性器の症状、発熱などが続く場合には早めに医療機関を受診しましょう。不安がある場合には自己判断で様子を見続けるのではなく、適切な検査を受けることが早期発見・早期治療につながります。
「性行為して1週間後に体調悪い」で考えられる病気と特徴
産婦人科の病気
妊娠初期症状
子宮頸管ポリープ子宮頸がん子宮膣部びらん
感染症内科系の病気
淋菌感染症
性器クラミジア感染症
梅毒「性行為して1週間後に体調悪い」と関連のある症状
関連する症状
性器からの出血
おりものの増加
排尿時の痛み
排尿時の違和感
【参考文献】・働きながら安心して 妊娠・出産を迎えるために|厚生労働省
・異常子宮出血と不正性器出血 - 公益社団法人 日本産科婦人科学会
・10 Early Signs of Pregnancy | Johns Hopkins Medicine

