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ジェームズ・キャメロン監督『エイリアン2』(1986)の劇場公開版から、エレン・リプリーの実の娘にまつわる場面が削除された際、主演のシガニー・ウィーバーは強い不満を示していたという。ヒックス役のマイケル・ビーンが、米のインタビューで振り返った。

ビーンによると、出演者が完成版を鑑賞する前、ニューヨークでウィーバーと一緒にいたところ、キャメロンから娘に関する物語の多くをカットしたと告げられたという。ここでいう娘とは、劇中でリプリーが守る少女ニュートではなく、実の娘アマンダのことだ。

「その時、僕はシガニーと一緒にいました。彼女は喜んでいませんでした。全く喜んでいなかったんです。まあ、アカデミー賞にノミネートされた時には、きっと立ち直ったでしょうけどね。」

劇場公開版では、前作から57年間にわたって宇宙を漂流していたリプリーが、その間に娘を亡くした事実は描かれない。しかし後に発表された『エイリアン2/完全版』では、ウェイランド・ユタニ社のバークから、アマンダが66歳で亡くなったことを知らされる場面が復活。リプリーは、娘の11歳の誕生日までに帰ると約束していたことを明かし、年老いたアマンダの写真を前に涙を流す。

この場面の有無は、リプリーとニュートの関係の見え方を大きく変える。劇場公開版でも、惨劇の唯一の生存者であるニュートを守ろうとするリプリーの姿は物語の感情的な中心として成立している。一方、完全版では、わが子の成長を見届けられなかったリプリーがニュートと出会い、再び母親としての役割を見いだしていく構造がいっそう明確になる。終盤のリプリーとエイリアン・クイーンの対決も、それぞれ子を守ろうとする“母親”同士の衝突として、さらに強い意味を帯びる。

劇場公開版から姿を消したアマンダは、のちにゲーム『ALIEN: ISOLATION -エイリアン アイソレーション-』の主人公として再登場。母エレンの失踪の真相を追う物語が描かれた。もともとは完全版でのみ確認できた存在だったが、現在ではとなっている。

もっとも、ビーンが冗談交じりに触れた通り、ウィーバーの演技そのものは高く評価された。『エイリアン2』は第59回アカデミー賞で7部門にノミネートされ、ウィーバーは主演女優賞候補に。作品は視覚効果賞と音響効果編集賞を受賞している。

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