法人が所有する都心のタワマンなどの高級物件はとくに顕著(C)日刊ゲンダイ

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【不動産業界 噂の現場】

「副首都バブル」で地価高騰の懸念…悪質商法の“次の獲物”になるのは時間の問題か

 海外投資家による東京の賃貸住宅の大型取得が続くなか、気になる動きがある。

 カナダの大手投資ファンド、ブルックフィールドは、首都圏、大阪圏、名古屋、福岡にある賃貸マンション50棟、約3700戸を1000億円超で取得した。

 米ローン・スターも、東京都中央区の「リバーシティ21新川」と「リバーシティ21イーストタワーズ」など、計1166戸を取得したと報じられている。

 人口減少が続く日本で、なぜ海外勢は賃貸住宅に巨額を投じるのか。業界関係者はこうみる。

「狙いは物件価格の上昇ではなく、これまで十分に引き上げられてこなかった家賃だ。東京23区では募集家賃が相次いで過去最高を更新している。賃料収入を増やして収益力を高めたうえで、売却するのだろう」

 もっとも、賃貸住宅の家賃はそう簡単には上げられない。

 既存の契約も反映する消費者物価指数の「民営家賃」は、2026年7月時点で前年同月比0.7%の上昇にとどまる。入居者の退去後に設定される募集家賃が過去最高を更新する一方、現在住んでいる人の賃料はほとんど動いていないのだ。

 日本の賃貸住宅市場で一般的な普通借家契約では、貸主が値上げを求めても、借り主が応じなければ最終的に調停や訴訟に持ち込むほかなく、費用も時間もかかるためだ。

 この壁を、新規契約の段階から回避しやすくするのが定期借家契約(定借)である。定借ならば期間の満了によって契約はいったん終了し、入居者が住み続けるには再契約が必要になる。貸主はその際、市場相場を反映した新たな賃料を提示しやすい。もちろん条件が折り合わなければ、入居者は退去せざるを得ない。

 物件検索サイト大手LIFULL HOME'sの調査によると、東京23区の賃貸マンションの募集物件に占める定期借家の割合は、2023年の5.9%から2025年には9.5%へ上昇した。まだ1割に満たないとはいえ、その活用はすでに広がり始めている。

 賃貸市場に詳しいコンサルタントの南智仁氏は語る。

「定借の募集物件は急速に増えている。とくに法人が所有する都心のタワマンなどの高級物件や、ファミリー世帯向けの物件で顕著だ。少なくとも東京では、このまま定借がじわじわと広がり、業界標準になってもおかしくない」

 そうなれば入居者は数年ごとの再契約のたびに、大幅な家賃上昇を受け入れるか、退去するかという選択を迫られることになる。

 東京の住宅問題は、「高すぎて買えない」段階から、「借りても住み続けられない」段階へと進もうとしているようだ。

(小野悠史/ニュースライター)

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